第109話 魔物の集団暴走 

「念話」連絡を受けて、ミドリの元へ向かい、上空から眺めているけど、これ、規模は小さいけど、魔物の集団暴走、スタンピードだね。


山裾あたりから、辺境伯領の北の開拓地あたりに向かって流れていくように見える。

まあ、ギルドに知らせても、かえって僕らが動きにくくなるので、サッサとやってしまおう。

スミレ、ミドリと合流して、とりあえず、魔物の群れの先頭集団から行動不能にして、こちらに向かって来てほしいことを告げて、僕は、最後尾に向かう。

セイランを呼び出して、スミレ達に付いていてもらおう。


最後尾のさらに先のほうの地面がうねっているよ、どこから湧き出してきたものか?かなり大きそうだ。「空間察知」では、8mくらいの大きな、魔芋虫が一体。

まあ、いつもどおり、始末しよう。

魔力強めで、「落雷」を数本落とす、音と光が舞い踊る中、芋虫の顔が出てきた。

そこをめがけて、魔力強めで、「光射」、何本もの光の筋が芋虫の頭に突き刺さって、抜けていく、一応仕上げとして、青龍刀を一閃、ぶっとい首が飛んだ。

とりあえず、芋虫の頭と体を回収、収納する。僕は、魔物の群れを後方から潰していこう。


ほとんど、「加重」して、動きを止めて、青龍刀で「斬撃」を飛ばして、どんどん、首をはねて進むと、前からくるみんなが見えたので、一旦、上空へ避難しておく。

しばらく見物していると、どうやら、立っている魔物の姿が無くなった。

「空間把握」してみるが、どうやら、魔石などはそのまま捨て置いて進んで来たようだ。なので、広い範囲を指定して、「魔石回収」、「収納」へ保管する、かなりな数だね、2人とも、良い経験になっただろう。

中には、食肉の魔物も結構いるので、傷まないうちに、回収してまわる。

声をかけるのも忘れていたが、ミドリやスミレも、僕の指定する魔物を回収、「収納」している。オーク、ミノタウルス、魔豚、魔牛、魔鶏、これらは良い食肉になるからね。


上空で集まって、反省会。

2人とも、やや興奮気味?だけど、まあ、よくやったな、途中、セイランからの念話で、「問題ありません」って知らせもあったし、何より、怪我もしてないし、魔力も十分だから。しかし、薬草採集?に出かけて、この騒ぎに当たるか? 僕も人のことは言えないけどね・・・ 

一応、ギルドにも一報は必要だよね、後片付け?もあるだろうし・・・

なので、スミレ、ミドリと共に、冒険者ギルドの裏に転移して、姿を現して、表に回って入っていく。ガントさんに繋いでもらったら、部屋へ、ということなので、ギルド長の部屋へ入る。


これこれ・・・で、とりあえず全部潰しておきましたから、こちらへの危害はないはずです、それで、要らない魔物は全部、置きっぱなしにしてありますから、あと、ヨロシク!ってお願いしたら、・・・

まあ、いろいろ怒られましたね、でも、最後には、僕達3人に頭を下げて、「すまん、ありがとう!助かる!」って言ってくれたから、良し、としよう。

片付け、手伝おうか?って声をかけたのに、「イヤ、イイ、後は、ギルドでやる!」ってさ。あ、そうそう、肉関係は、既に回収してきたから、必要なら言ってよ!って言えば、「そんなこと、もう、解っているよ!」だってさ。

あ、そうそう、今日の魔物の集団の発見および、対応は、この2人、スミレとミドリ、だからね、って一応、ガントギルド長には、念押ししておいたよ。

その後は、みんなで、解体担当のガーシーさんにも2人を紹介させてもらって、「今日の勝手な振る舞いのお詫びとして、オーク2体、寄贈します」、って言って、二人に、収納から、オークを一体ずつ出すように言って、解体場所に並べて出したよ。

これで、二人共、僕と同じ「扱い」にしてもらえるかな? きままな、E ランク冒険者としてね。

あとは、清酒を1本、ガーシーさんに渡して、ガントさんには、樽酒を1樽出して、皆さんで、って渡しておいた。 ヨロシク! 


翌日も、ギルドに顔を出したら、スミレとミドリが、ガントさんに呼ばれて、部屋に入っていったので、僕も、呼ばれていないけど、あとを付いていった。

まあ、昨日の、魔物集団の発見及び討伐に対する報酬を貰った、依頼扱いにしてくれての報酬だ。二人にはそれぞれ、金貨25枚づつ、オーク肉込、だって。

まあ、ギルド長の計らいに感謝、アリガトウ!

それで、僕には・・・協力報酬も、何も無し、なんだって・・・まあ、イイか!






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