第92話 ランデル王国 勇者召喚魔法陣  

朝起きてきて、スミレが、「人化したままで、しかもベッドで寝たのって初めて〜!」って何か感激しているな。まあ、なんというか、昨日が「人化」の初日と考えれば、今日はまだ、二日目だからね、いろいろあるさ。

既に、昨日だって、「隠密」で、隠れて「転移」して、隠れて「飛行」して、人に会ったり、買い物したり、古龍に会ってお酌をしたり、いろいろ経験を積み重ねたんだしね。


朝、適当に食べてから、今日はどうする?って聞いたら、

「いっしょに付いていく」って言うから、なら、昨日の続きだ。

元、王都へ行ってみよう、ということで、「転移」。

とりあえず、上空で、「飛行停止」して、古代遺跡ランデル王都を見ている。

道路はそのまま残っているし、建物も破壊されているというわけでもない、ただ、2000年以上経っているという、遺跡だ。


一番北の山手の丘の上の宮殿、あれが王宮だろう。

降りる前に「気配察知」、反応無し、「空間把握」異常無し、なので、王宮に下りてみる。

恐らく王の謁見の場、だがそこの王座には、今はもう誰も居ない、気配も無い。

王座の奥の部屋、ここは本来鍵が掛かっている場所だろうけど、鍵は壊れている。

だけど、中身はほとんど無事みたいだな、ここは、いわゆる王家の宝物庫?

聖剣だけでも12本、ランデル金貨の5000枚入の箱が20個、王冠やティアラなどが12個ずつ、一応、分けて収納されているので、僕もそのままの仕分けで、

王家関連、勇者関連、エルフ王国関連、魔物関連、競技会関連、の区分のままで、「収納」内に全部収めた。幸い、ここにあった聖剣には、何ら、呪いがかけられていなかった。


スミレに何か欲しいものあった?って聞いたら、「緑色の腕輪かな?」っていうので、出してみた。


*緑魔法の腕輪(農業、園芸 土壌改良、促成栽培、緑化)


なので、それの使い道を教えてあげたら、・・・「興味がある!」ってさ。

じゃ、あとで渡すからって空の部屋を出て、その奥の大きな部屋へ。


あ、これ駄目なやつだよね、床一面に「魔法陣」。

良くみれば、真ん中あたりが、一箇所、爆発したような感じで、焦げている。

まさか? この魔法陣を使って何かをしようとして、失敗した? 反動が起きて、一部が焼け焦げた? 

まさか、住民消滅の原因? 想像でしかないけど、この魔法陣は、異常があって、反動でさらに壊れたんだろう。やはり、ここ、ランデル王国は、異世界召喚に関わっていたな・・・


もう一箇所、行っておきたいな、隣の、ランド公爵領だ。

ここも同時期に町ごと消滅したということだが。

領内のお城の真上で、気配を探る、何も無し、「空間把握」で探る、特に無し。

ただし、先程、王城の魔法陣で感じた気配が、ここにもある。


中に入る、公爵の執務室には、埃こそ被っているけど、ついさきほどまでここで作業をしてました、ってくらいの臨場感がある。

書類は、中身が、残念なものだよ、だってさ。

一体、どれだけやってるんだ?

部屋に残された金貨の箱を回収、一応、書類も回収しておく。居間の奥の広間にあるよ、大きな魔法陣、王家だけではなく、ここでもやっていたのか?

しかも、同じ状態で、失敗したんだな、魔方陣の一部が、焼け焦げている。

まさか? 王家の失敗と同時に失敗して、被害が爆発的に大きくなった?

まあ、よくわからないけどね。


恐らく、公爵の寝室と思われる部屋の隣りに、お宝の倉庫がある。

ここにも、いろいろ残されていた。


◎ランド公爵 遺品

・聖剣3本、と勇者装備一式が3セット、

・5000枚入金貨箱が10箱。

・その他に、勇者関連、王国関連、の大箱が2箱ある。


全部、回収して「収納」、ランド公爵区分に。


一旦帰ろう。


サザン別荘の居間で、緑の腕輪を「錬金複製」して、少し「錬金加工」する。


◎緑魔法の腕輪 

・(ヒカル改変)

・所有者限定:スミレ、

・不壊、サイズ自動調整

・農業、園芸 土壌改良、促成栽培、緑化、


スミレに渡して、「鑑定」内容を伝える。

まあ、本人が装着すれば、解るんだけどね。

もし、園芸や、作物を育てるのなら、裏庭を使っても良いって許可して、現地を案内しておいた。なんか、本人、やる気、だよ。

なので、明日は、自由時間にするから、好きにしてて良いからということにした。


僕は、何をしようかな?


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