第77話 オストリア王国 

隣というか離れているんだけど、大きな島、のように見えるけど、これ西の端が見えないくらいに大きいというか続いているので、陸、大陸だ。

「鑑定」では、オストリア大陸、オストリア王国。この大陸の見える部分、東側は、火山地帯ではなく、中央に3本の山脈が走っている他は、林や森や草原地帯だ。

大きな領地は、北に一つ、東に2つ見えている。それぞれ港を持った海洋都市。


北の一番大きいのがオストリア王都、東にはイスカ公爵領とオスカ伯爵領。

王都が大陸の東側にあるってことは、ウエステン王都や帝都オリバーとの交易も盛んなのかな?でも、オリバーまでは結構離れているけど。


まずは、王都だ。この前のエルマー火山島もそうだったけど、こういう島国に、ポツンと見知らぬ人が入り込んだら、きっとすぐに解るだろうな。しかも、船さえ港に入ってないのに、どうやって?来た?とか問題になりそうだよ。

なので、まあ「隠密」で、これは当分の間は欠かせない。


王都上空から見ているんだけど、東の港の様子がおかしい。なんか、慌ただしく馬車が走ってきたかと思ったら、漁船に積荷を移して、沖の島、団子3兄弟みたいなところへ向けて、走っていく。

「気配察知」では、先程から、悪意、敵意、がビンビン感じられるんだよな。

ま、様子を見ていよう。

島に用意された船着き場から、荷物を下ろしているけど、うん?子供が2人?あれは、「鑑定」では、エルフの子供たちだ。何だろう?人身売買?奴隷?


「ヤミちゃん」って呼ぶ前にもう出てきているよ。しかも、言わなくても解っているんだよね、でも、一応、言うけど。

「今運び込まれたエルフの子供たちが気になるんだけど、ちょっと調べてくれる?」

「ハイハイ、じゃ、行ってくるよ〜」って「闇転移」していったよ。


僕は、港に乗り捨てられた馬車でも調べるかな?

そばに下りて気配を探る。馬車内に落とし物?忘れ物?があるな。

*ウエステン金貨200枚

*短剣 エルフのミスリル短剣、エルマー王家の紋入


これらは、回収しておく。

馬車の上で御者が居眠りしているので、少し「記憶読み」。

なるほど、エルマー王都からこのオストリア王都へ留学しているエルフの2人ですか。これは、ややこしい国際問題みたいだね。

あとは、この王都のスラムの端っこに盗賊たちの王都アジトがある、と・・・


ヤミちゃんが戻ってきた。攫った実行犯は雇われた盗賊団で、あの島をアジトにしている「ダン盗賊団」。

今回は、単にカネ目当ての誘拐らしい。

身代金要求は、すでに、エルマー王家とオストリア王家に出されている。

受け渡し場所は、ちょうど中間の海上にて。明日の昼12:00。


アジトには、盗賊団30人と、船が二艘、小舟が4艘、お宝は、ほとんどボスのマジックバッグに入っている、ってさ。

もう、面倒だし、チャチャってやりますか?

その前に、一つ、魔法を作っておく、いつも使ってる奴なんだけどね・・・


*白霧 水魔法「霧」に温度を冷やして白霧にする、霧の持続時間は通常1時間


さて、まずは、島のアジトだ。

ヤミちゃんに言って、全員を「催眠」で眠らせる。

奥にいる3人が幹部とボスか? まず金品、金属を回収、収納。

そばに置いてあるマジックバッグを回収、あとは武器や、貨幣、宝石などだね。

書類などは見当たらないが、まあ、マジックバッグに入っているか処分しているか?

とりあえず、捕虜のエルフ子供2人を、「白霧」と共にオストリア王都港湾衛兵詰め所前に「転送」する。

幹部3人には「自白」をかけて、全員まとめて近衛騎士団詰め所前に、「白霧」とともに「転送」。

貨物船と小舟は、そのまま回収、「収納」。


次は、王都のスラムだな。

こういうところは、悪意や敵意に満ちた場所なんだけど、幸い、御者の情報からマッピングできているから、そこへ直行。


少し、まともな家だよ。「気配察知」で、中には20人。

とりあえず、ヤミちゃんの「闇催眠」で眠ってもらおう。

屋敷内から、金属、金品、宝石を回収、かなり溜め込んでいるようだ。

あとは、隠し金庫か? 地下に気配がある。

奥の部屋、そこの床下に隠してある。なので、金庫ごと回収、収納。


ボスの執務室の部屋の中には書類が多い。

パラパラ「速読」してみれば、王都の役人関連のものは無さそうだが、奴隷売買の記録がある。その中で、違法奴隷っぽいものの売り先はウエステンのバース伯爵。

これ、前に潰したよな? あとは、ここオストリア王国の男爵が2人、これきっとそうだよ。

この関係書類を複製して、近衛騎士団詰め所前へ追加で「転送」する。あとすべての書類はそのまま放置。


あとは、何も?無さそうなので、全員を「白霧」とともに、近衛騎士団のところへ「転送」しておいた。あとはヨロシク。


>島アジトから、

*オストリア金貨100枚、銀貨300枚、

*宝石2cm球形、ダイヤ、ルビー、エメラルド、各10個

*漁船x2、小舟x4、

*マジックバッグ 容量・大大、時間経過


>マジックバッグ中身

*オストリア金貨1000枚

*ウエステン金貨500枚

*短剣・ナイフ ミスリル製 各5本


>スラム屋敷から、

*武器 剣、短剣、ナイフ 各50本 魔鉄製

*オストリア金貨 50枚 銀貨300枚 銅貨 100枚


>スラム屋敷金庫から

*オストリア金貨1000枚 銀貨500枚 

*宝石2cm球形 ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド、各10個

*腕輪羅針盤  魔道具 羅針盤 方向指示器 

*指輪水中呼吸 魔道具 水中遊泳

*腕輪送風   魔道具 帆に風を当てて航行を補助する


なかなか面白い海関連の魔道具があった。


あとは、錆びた剣、壊れた剣、投げ捨て用?の錆びたナイフ100、などの金属が回収されているが、まあ、これらは、素材として使おう。



PS、 近況ノート 106オストリア王国 地図 です

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る