第31話 (元)部下からの手紙 

随分、お金も貯まってきたな〜、帝都で買い物でもしようかな?

そんな僕の様子を見ていた2精霊が「付いてく〜」っていうので、まあ3人で行こう。それにしても、ライムはずっといるけど、ここで良いのかな? ウインディともうまくやっているから、良いのか?


帝都に入ったら、ふたりともどこかへ飛んでいったから、僕は、まだこの前行ったばかりだけど、リカロさんの様子でも見に行くかな? 指輪収納、使いこなしているかな? アフターだな。

上空から見ているけど、リカロさん、やり手だよな〜 テキパキと部下に指示をして、それぞれの荷車に、指輪収納から、指定の商品を出しているよ、酒だけじゃないんだな、日用品?も扱っているようだ。昔の日本の酒屋みたいなものか?配達だ。


隠密を解いて姿を見せると、僕に何か話したいようなので、良いですよ待ちましょう。

店の椅子に座らせてもらって待っていると、一段落ついたリカロさんがやってきて、指輪収納の使いやすさをとうとうと説明してくれた、気に入ってもらえたようで何よりだよ。


ところで、って手紙?を差し出してきたので、「僕に?見ても良いの?」「どうぞ!」って言うので、開いてみたら・・・「日本語」だよ?


リカロさんが言うには、先日帝都の館に商品の納品に上がったときに、たまたまそこに居た女性、勇者パーティの一人らしいが、彼女に、指輪の模様がどうのこうの・・・って言われたので、「これは、ヒカルっていう商人から譲ってもらったものだよ」って、僕の容姿や、年齢、などなどいろいろ聞き出して、帰りがけに、この手紙を渡してほしいって頼まれたようなんだな。


リカロさんが僕に、「それが読めるのか?」って言うから、「読めるわけ無いよ、これ何?」ってしらばっくれておいたけど・・・読めるよ。

兎に角、僕に今度会うときでいいから、渡して欲しいって頼まれたから渡したよ、って言うから、受け取っておいた。


今日は、たまたま帝都に来たから、リカロさんの指輪の調子どう?かなって見に来ただけだよって言って酒店から出てきた。

少し歩いて、広場の公園があってベンチがあったので、座って、気配察知を並列思考で働かせながら、手紙を開けた。


「「「

突然失礼します。でも、きっと、青木さんですよね、こちらにいらしてたんですね。

私は、桜、篠崎桜です。あの日、あなたと外回りするはずだった桜です。

実は私も、あの交差点にいたんです。ちょうど青木さんの少し後ろにいたんですが、光とともに転移させられて、そしたら、青木さんが居なかったので、・・・

でも、あのリカロさんの指輪のマーク、あれ、何なんですか?

吹き出しそうになりました。確信しました。青木部長! 

出来たら!青木ヒカルさん、私を助けて下さい。

実は、仲間はみんな、どうやら洗脳?されているらしく、まったく話が通じないことも多くて、一人苦労しているのですが、きっと、このことを誰かに言えば殺されそうだし、今は、なんとか周りに合わせてやっています。


今度、パーティで、北のノースリア未開地の方に魔族の探索に出かけるのですが、恐らく、私はそこで死にます。

実は、私は未来予知みたいなスキルを持っていて、自分の身に起きることだけ、予知できる?かもしれないんです。

すみません、まだよく使えていないので。

パーティがどうなるかは、解りませんが、私はきっと死にます。

・・・最後に・・・同じ世界にいるなら、会いたかったな・・・・

」」」


って、何だ?これ。こんなこともあるのか・・・ 

まあ、解ったよ。あの桜さんか・・・それにしても、勇者一行様もいろいろあるんだな〜。いろいろ気になることもたくさんあるけど、それにしても、桜さんは呪いにはかかっていないのかな? そういえば、あの時点で、ギリ30歳前か? なら、呪いが薄いのかもしれないな? どうしよう?  


同じ場所から転生してきた勇者一行の連中も絡んでくるのは、それはどう?なんだ? 

巻き添えになった僕が何か出来るのか? でもアレか、桜さんも巻き込まれた一人か・・・

しかも、彼らは、まだ地球に、日本に、帰れることを期待しているんだろうけど・・・帰れないんだよね。その上、転生の呪いまで受けているのなら、いろいろと難しいな。

・・・気にはなるけどね。

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