第3話

 ウェストポーチに入ったまま目的地に向かう。小さな家だった。家には、リアとよく似た女の人と、リアと同じぐらいの男の子と金髪のおじさんがいた。


「ただいま。」

「おかえり。リア、ギルバート」

「リア、見せてよ。リアのパートナー」

 男の子が近寄ってくる。


「この子だよ。テンっていうの。」


 僕はウェストポートから取り出され、男の子の前でプランと見せられた。


「へえ。ふわふわだな。」

「でしょ。」

「よろしくな」

「きゃん」


 いい子そうだ。よかった。


「あら、そのウェストポーチ買ったの?」

「ああ。テンが欲しそうにしてたらしいんだ。リアに運んでもらうのが悪いと思っていたみたいで。」

「そうなの?軽量化とかの加工しましょうか?」

「テン、お母さんがウェストポーチ、魔道具にしてくれるって。してもらってもいい?」

「きゃん!」

 リアが楽になるなら、そうして欲しい。


 そう伝えると、

「リアが楽になるなら、そうして欲しいって言ってるよ。」

 とリアが伝えてくれた。


「あら、いい子ね。」


 リアのお母さんが撫でてくれた。リアのお母さんは、小さな壺ウェストポーチと素材を入れて


ゴウ!」

 と唱えた。


「はい。できたわよ。」

「テン、入ってみて。」

「きゃん」


 僕は言われたとおり、ウェストポーチの中に入る。リアはそれを肩からかけた。


「あ、軽い。お母さんありがとう。」

「きゃん」

「どういたしまして。」



「リア、こっちへおいで。」

 僕らは台所へ向かう。


「テンのご飯はこれからリアが作ってあげるんだよ。」

「うん。」

「この瓶に入っているものをふやかしてあげるんだ。」

「うん。」

「テンはどれぐらい食べれるのかな?」

「きゃん?」


 ぼくまだミルクだったんだけど、いけるかな・・・


「ウォン」

「え?ミルクだって?」

「きゅん・・・」

「そんなに小さかったのか。よし、買いに行こう!」

「お買い物♪」


「アンナ、ちょっと買い物に行ってくるね。」

「いってらっしゃい」

「俺も行く!」


 さっきの男の子が出てきた。


「アル!お前は訓練だ。」

「えー。」

「訓練しなきゃ鈍るだろ。ほら、来い。」

「はーい。」


 僕とリアとレンさんとリアのお父さんは、食料品店に向かった。ミルクがいっぱい並んでるコーナーに行く。


「どれがいいかな。」


 正直僕にはわからない。ぼーっとしてたら、リアに引っ張り出された。僕の毛並みをふわふわし始める。


「テン、ふわふわ。」


 重くないかなっと思ったけど、毛皮を堪能してくれているならいっか。っとリアの顔をペロッとなめる。


「ふふ。かわいい。」


 喜んでくれるのでもっとなめる。


「ふふふ。テンってばー。」


「よし!これにしよう。リア、行くぞ。」

「はーい。」


 僕はふたたびウェストポーチの中に入った。

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