第597話旧友の涙

今日の仕事帰りに、電話が鳴る。

画面には懐かしい友達の名字が。

電車内だったので、帰宅してからかけ直した。

彼は将棋仲間なのだ。

3年ぶりに僕の声聴き、良かった~生きてたんだね!と、涙ながらに話す。

去年、年賀状を書かなかったので心配になって、今頃電話したらしい。

彼は今、新居に1人で住み、秋田犬2匹と暮らしているらしい。

新居は親が一括払いしたらしい。

僕は病体にムチ打ち、中古でいいし、賃貸でもいいから、一軒家に住むことを夢にしているのだが、恵まれた人間はどこまでも恵まれている。

彼は久しぶり将棋を指したいと言ったが、こっちは家庭があり、仕事もしているので、なかなか時間を作るのが難しく、いつか休みで用事の無いときに連絡すると、言って電話を切った。

土日しかバイトしていない人間が、うん千万円の新居に住んでいる。

はぁ~、新居どころか大学費も出せない家庭で、バイトばっかりして半年休学して金をつくったが、足りなかった。中退は屈辱的であったが、今は幸せなので十分だ。

いつか、母と一軒家に住む事を夢にして、今、仕事と治療を頑張る。


本日の読み切りエッセイ、これまで!

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