第136話僕は保護者だけど……
今日は天気も良く、母と昼前に市バスでイオンの最寄りバス停まで乗り、徒歩で店舗に向かった。
本当の目的はヒートテックの下着を買う予定であったが、イオンの隣にある大型パチンコ屋さんに、我々親子は吸い込まれた。
1円パチンコで、2人とも1000円だけ打って当り、ハズレを交互にしてトントンで終わった。
欲をかいてはいけない。
フードコートで、母はたこ焼き、僕は豚玉を食べた。
母はたこ焼きが冷めていると、文句を言いながら食べていた。
外は、腕まくりするほど暑く、疲れたのでまた700m位歩いて自宅より少し離れたバス停で降りた。マンション前に停車するバスは平日のみだからだ。
僕は、既に1.5km歩いているので、右足が痛くなり、休み休み帰宅した。
しばらくすると、スマホが鳴る。
画面には、『○○学習塾』と、ある。
またか、今日は嫁さんも休みだから何故電話にでないのか?僕は無視した。15分後、また学習塾から電話があり、出ると、
「もしもし、○○学習塾の者ですが、今日は息子さんのテスト前授業の日なのですが」
「すいません、外出してまして妻にかけてもらえませんか?」
「分かりました~」
僕ら家族は別居している事を塾は知らない。
三者面談は必ず僕が参加している。2教科、英、数、週2回とテスト前対策のプランで5万円以上かかる。
それでも、学校のテストは点数が上がらず、家でも勉強をしないので、来月いっぱいで塾を辞めさせるのだ。
宿題を教えていると、スラスラ解けるが全体的にケアレスミスが目立つ。指でここ、マイナスか?と、言うと分かってるから、もう一度解かせて!と、やる気はあるのだが、伸びない。1学期、通知表は英、数、共に2だった。
僕は嫁さんに電話した。
「あ、塾からでしょ?何だった?」
僕はわざと電話に出ない事にムカついたが、
「今日はテスト前授業だってさ」
「今日なの?」
「うん」
「あ、ダメだわ。遊びに行っとるで。連絡付かんわ」
「その事、ママが塾に電話して。僕は返答に困る」
「分かった。塾に電話するわぁ」
僕は保護者だけど、毎回、謝るのに疲れた。
夜、息子と連絡が付いたら電話でガツンと説教してやる。
例え、塾を忘れていたのを理解を多少はするが、テスト前に遊ぶとは何事か!
これから先、高校受験が待っている。必ず公立の高校に通わせたいから、毎週土曜日は僕が教えてやる。
もう、疲れたよ僕は。息子の為だ、今から嫁さんと相談だ!
本日の読み切りエッセイ、これまで!
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