王様になったモルモット

ケタ陀羅

第1話 変化

しゃがれた二人の人間がいた

片方がいなくなって、もう一方も姿を消した


その時期から

定期的に同じ柄の人間がやって来るようになった

家が散らかって臭くなったのを待ちわびていたかのようにやって来る


繰り返して季節が変わった頃

同じ柄の人間はいつもと違うことをした

オレを家から追い出して狭い箱に閉じ込めた

暗い時間が続いた

ガタガタと地面が震える

もうずっとそうなのかと思った

だけどそれは、季節が変わるより、同じ柄の人間がやって来る周期より、ずっと短かった


急に明るくなってびっくりして動けなくなった

ドアの閉まる音で我にかえると、そこはオレの家より多少広かったが似たような造りをしていた

汚くはなかった

しかしそれは問題にはならない

外の景色が大きく違っていた

周りにいる人間も違う

それでも、ようやく動かなくなった地面に安堵していたオレは早く眠りたいのに一向に人間がいなくならない

加えて、せっかく広かった空間にでかくて硬い塊を入れてくるのだから、堪ったもんじゃない

オレに近づくな!

警戒を込めた音を鳴らそうとしたが上手くいかない

声を出すのは久しぶりだったせいか、掠れた弱々しい音が力なく漏れるばかりだ

八つ当たりに人間が置いた塊を蹴り上げると、腫れ物を扱うみたいに奴らは離れていった

あとには、ひっくり返った塊と散らばった食い物が残った

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