縮んだしめじ

@umibe

第1話

 半月ほど前に、ペペロンチーノの具材にしようとパスタ、鷹の爪などと共にしめじを購入した。しめじは人の腰ほどの背丈しかない冷蔵庫に入れていたのだが、僕はそれをすっかり忘れ、しめじ抜きのペペロンチーノを作り夕飯に食べた。


 それから一週間ほどが経って、僕は冷蔵庫に忘れ去られたしめじの存在に気付いた。袋からしめじを見ると、買った時からあまり変化してないように思えた。まあ、しめじをよくよく見つめたことなんかこれまでの人生一度もないので、あるいは何か変わっていたのかもしれない。


 臭いはどうだろうかと思い袋を開けて嗅ぐと、明らかにおかしかった。つんと鼻につく嫌な臭いだった。僕は腐ったしめじをどうするか困った挙句、何を思ったか冷蔵庫の上に放置することにした。


 それからまた二週間ほどが経って、僕は冷蔵庫の上に放置したしめじの様子を見ることにした。


 二週間の間に冷蔵庫の開け閉めを何度もしたが、人間冷蔵庫のてっぺんなんてそうそう見ないものである。


 見ると、しめじは恐ろしく縮んでいた。外の空気に触れたからなのか、腐りがピークに達したからなのか、僕には分からない。


 

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