第13話バイバイ
信号待ちをしていると手を振っている人が目に入った。
黒色のスーツを着た男だろうか。
歳は40代くらい。
周りを見る。
私と同じように信号待ちをしている人はいるが、誰も手を振りかえしていない。
「一体誰に手を振ってるんだ...」
信号が青になった。
歩き始める。
例の人はまだ手を振ってる。
しかも立ち止まったままだ。
「気味がわるいな...」
その男からなるべく離れた場所から、信号を渡り切った。
チラっとその男を見る。
どうやら私に手を振っているようだ。
笑顔で手を振ってくる。
そのうち片手から両手で手を振る。
その手を振る速度が激しくなった。
「バイバイ~バイバイ~」
高速で両手で手を振りながら私に叫んでくる。
「バイバイ~!バイバイ~!」
きっとコイツはこの世の者ではない。
私はそう確信し、足早にその場から逃げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます