第8話狂った眼鏡

私の眼鏡が狂い始めた。


そう、眼鏡をかけるとおかしなものが見えるのだ。


異様にデカい頭をしたモノ。ゆうに3メートルはあるだろうか。


目が飛び出て地面にひきづっているモノ。時々目が動いてコチラをちらちら見てくる。


下顎がなく、口が大きく裂けているモノ。


きっとこいつらは化け物、幽霊と言われる存在なのだろう。


眼鏡を外せば普通の世界。


だが眼鏡をかければそこは異世界。


化け物、幽霊が見えるだけでもゾッとするが、空に浮かぶアレを見た時はこの世の終わりかと思った。


空に渦状の黒い物体が広がっている。


その禍々しい黒い物体からは、白い身体ツノの生えた化け物が降りてきて、光輝く物体を集めている。


あの光輝く物体はたぶん魂と言うやつだ。


白い化け物に集められた魂からは、泣き叫ぶ声が聞こえてくる。


空に浮かぶ渦状の黒い物体。


アレはきっと地獄だ。


地獄とは遥か下。そのイメージがあるがそれは違う。


地獄は浮かんでいる。


そう、私たちを見下ろして次の獲物を待っているんだ。


ほら、また一人誰かの魂が持っていかれた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る