みにバグ ~異世界人たちのソネット~

犬千代

ドラッグストア店員

「らっしゃっせー」


 けだるそうな声は、道具屋の主である。


「えーっと、何か役に立つアイテムは入荷してないかなぁ」


 ジョブ『ドラッグストア店員』のテム・アイは、客の前でも、やる気を見せない。


「あのー、『ヨモギグレート』が欲しいんですけど」


 客は当然、求める物について、店員にたずねるだろう。


「あー、そこに無ければ無いですね」


 そこに無ければ、その商品は無いのだ。


「あざっしたー」


 そして、客によって態度たいどを変えることも無い。


「ふむ、ヨモギグレートの仕入れ先は...と」


 そして、数日が経ち。


「あれ?この前は無かったのに!」


 商品のリサーチは迅速じんそくなのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る