第14話 地獄絵図
「(いや、むしろ前線Mに逃げるというのも手だ。強者は逃げ道がたくさんあって良いな。けど、あいつらのことだしわからんぞ。特にベッキーはかなり強いから、普通に来るかもしれない)」
ドォォォォォォォォォン
いきなりドアを突き破って、ベッキーが入ってきた。
「mituketa」
「やばい。…ってあいつも博士とグルだったんですよ!!!!!!」
「ベッキーちゃんが?まさか」
「そのまさかなんです。ほら、近づいてくる」
ベッキーは視認できないほどのスピードで、ウォーリーの隣にいたロボットを溶かすと、棒先をウォーリーに向けた。
周囲がざわついた。
「koi、hakasenomotoe」
「……いや、行かない」
「koi!!!!!!」
「行かない!!!!!!」
ウォーリーの手はカノン砲と化した。
司令室のロボットたちは避難すると、ウォーリーは聞いた。
「……どうするの」
「………………kowasu」
ベッキーは視認できないほどのスピードで向かってきた。ウォーリーは背中からネットを撃って、ベッキーを足止めしようとしたが、間に合わず、しかし間一髪で避けた。
「来い!俺と戦う気なんだろぉ?」
ズドォォォォォンズドォォォォォンズドォォォォォンズドォォォォォンズドォォォォォン
ウォーリーはカノン砲を連射した。
ウォーリーの弾幕をくぐり抜け、ベッキーは溶接棒を振り回す。
ウォーリーは離れながらカノン砲を撃っているが、彼女のお腹の部分に穴が空くと、周囲のものと一緒に吸い込まれ始めた。
「!!!!!!!!!!!!」
ウォーリーは腕を振り回して高速移動すると、胴体の下部から出たジェットエンジンで、彼女の吸い込みの範囲を抜け出した。
「(普通に戦闘用ロボットとして活用できんだろこんなやつ)」
「nigasanai」
ベッキーはまた脳天からベタベタした物体を出した。
「その手には乗らん!!!!!!」
ウォーリーはネットと小型のロボットを同時に2体ずつ出した。
ベチャァァァァァン
画面にくっつくことは防げた。
司令室は地獄絵図になっていた。飛び交う弾幕、散らばった書類や椅子の数々、ひび割れた巨大スクリーン。
司令室のロボットたちは司令官を呼びにいった。
その司令官は、自分の部屋で、プリンにさくらんぼを慎重に乗せていた。
「ちょっと右か?あと2ミリ後ろ、あ、そうそうここら辺」
司令官がプリンを崩さないように、さくらんぼを乗せようとした瞬間。
ドン
と音を立てて、司令室のロボットたちが入ってきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、何よ………………………、な、何だ!」
突然の大きな音と部下が入ってきたことに、驚き、さくらんぼを投げ捨ててしまった。
そのさくらんぼはプリンに勢いよく落下し、皿を貫通した。
「し、司令官?今なんていいまs」
「なんでもない!んで、どうしたんだ?」
「司令室が大変なんです!!!!!!」
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