第95話三田屋敷道場で 華音VSエレーナ 本当の勝者と華音の無粋発言
エレーナが、華音を押さえつけたのは、一瞬だけだった。
すごく悔しそうな顔で、華音を、その豊胸から解放した。
そして、一言。
「負けました」
華音は、やさしい顔。
「いいタックルだった」
見ていた人たちは、また様々。
シルビア
「華音が、タックルを呼び込んだのか」
春香
「まあ、かわし続けることもできたけど・・・エレーナが限界やった」
「だから、おいで・・・と」
瞳は、うんうん、と頷く。
「もともと、華音君は真剣勝負ではないし」
「エレーナに気配りね」
母慶子は、ホッとしている。
「よかった・・・華音にもエレーナさんにも」
久保田紀子は、詳しい分析。
「そもそも、何でもありの戦場では華音に勝てる人間はいない」
「しかも今回は、打撃禁止の限定ルール」
「華音にはスタミナにまだまだ余裕があった」
「エレーナは、倒すには倒したけれど、あくまでも華音が、そう仕向けただけ」
「それをわかってしまった」
「形式的に、倒しただけ、演武のようなもの」
「でも、エレーナには、スタミナが残っていない、限界だった」
華音は、泣き出してしまったエレーナを「お姫様抱っこ」して、歩き出す。
エレーナも最初は抵抗したけれど、途中で諦めた。
「動けないし・・・華音の意地悪」
華音は、いつもの無粋。
「お風呂にもう一回入ったほうがいいかな」
エレーナの顔が、赤くなった。
「この・・・アホ!汗臭いってこと?」
華音は、また無粋発言。
「いいタックルだけど、もう少しスピードと角度があるといいな」
「体重かな・・・」
「最近・・・食べ過ぎでは?」
この酷い発言で、母慶子を含め、女子全員が、ムッとした顔で華音を睨むことになったのである。
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