宝石オパールは語る_6 ~天然の宝石~
色石ひかる
第1話 問題編
私は
宝石や鉱物を販売するミネラルショーにきた。最初にオーストラリア産オパール専門店へよった。店主の
「彩香ちゃん、今回も来てくれてうれしいです。思う存分ルースをみてください」
「すてきなルースとの出会いが楽しみよ。気になるところがあれば質問するね」
展示されている手前のルースから眺めた。今日もオパールを堪能できる。
最初は透明感と輝きのあるホワイトオパールを眺めた。クリスタルタイプと呼ばれるルースだった。
「気に入ったルースがありましたか」
「白乳色が多いホワイトオパールの中で、透き通る感じのルースが好き。このルースならずっと眺めていられる」
「きれいなルースでわたしも気に入っています。クリスタルタイプは人気です。価格は高めですがおすすめです」
芽衣子さんが笑顔で答えてくれた。
「手に届く値段みたい。購入候補になりそう。でももう少しオパールを見るね」
「たくさんの種類があります。好きなだけ見てください」
ホワイトオパールからボルダーオパールに目をむけた。個性的な模様が多いルースだった。手のひらサイズの大きいルースもあった。
赤色がきれいなブラックオパールもあった。手を出せない値段だった。見る分にはお金がかからない。すてきな色合いを堪能した。
視線を移動させた。ガラスケースの隅に大きめのルースケースがひとつあった。非売品と書かれている。
「ダブレットオパール?」
はじめて聞く種類のオパールだった。周りには同じ名前のオパールはなかった。
タブレットならパソコンや食べ物で聞いた覚えがある。でもダブレットは、はじめて聞く言葉だった。
見た目はブラックオパールで、青色が眩しいくらい輝いていた。ほかのルースよりもきれいで大きさもあった。
「芽衣子さん、このルースが非売品なのは高価だからなの?」
奥側にいた芽衣子さんへ声をかけた。
「どのルースですか」
「ダブレットオパールと書かれているルースよ」
「こちらのルースですか」
芽衣子さんが、ガラスケースからルースケースを取り出した。私が知りたかったルースケースだった。近くで見ると、きれいさも増して見えた。
「すごくきれいで輝きも凄いルースよね。高価だから非売品なの?」
「きれいなルースですが、残念ながらべつの理由です」
「値段以外なのね。何故このルースが非売品なのか知りたい」
芽衣子さんの発言をまった。
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