004 「外伝・第二次世界大戦(相違点)」
●『夢』の向こうの世界との違い
(西暦1939年9月1日時点)
(舞台裏・メタフィクション視点)
●日本帝国
・事前状況の概要:
・国力など
・領土の違いは、樺太北部を日露戦争以後から領有。
・満州国はなく、替わりに経済植民地としての満州臨時政府が存在。
・内蒙古の東部にも臨時政府が存在。
・準戦時体制が始まったばかりで開戦。本格的な戦争準備はこれから。
・日本の国力は史実の約250%。重工業生産力は平均約300%。
・石油は自給(満州込み)。逆に英(連邦)からの各種鉱産資源輸入は大幅に増加。
・アメリカからの輸入は非常に少ない。(史実は石油、屑鉄、工作機械など)
・主な資源輸入先は英連邦諸国と東南アジア地域、それに満州。
・重工業力
・粗鋼生産能力、造船能力は史実の約300%。
・各種車両(自動車)、装軌式車両の生産力は、おおむね史実の1000%かそれ以上。
・各種動力装置(エンジン)の技術力・生産力は、欧米列強に準じる程度に向上。
・工作機械はほぼ自作。精度も先進国一般の水準程度ある。
・重工業関連を中心に技術力・生産能力(生産力ではない)は、技術輸入と自前の投資で史実より向上。
・電子機器など先端産業も、基礎生産力の面から大幅に向上。
・外交環境
・外交は親英米仏が基本。国連には常任理事国として加盟したまま。
・ただしアメリカとの関係は、政府間で親密とは言い難い。
・ドイツとの関係は、開戦以前の時点で険悪。
・ソ連との関係が極めて悪い。日本は反共産主義の急先鋒。
・中華民国(張作霖政府)との紛争(戦争)なし。関係は良好。
ただし、蒋介石の政府、中国共産党とは事実上敵対。
・人口:
・日本本土の総人口は、史実の約1割プラス。
1939年上半期時点で、約7700万人。
1941年には8000万人を超える。
増えた一番の要因は、史実には存在しない各種抗生物質、経口補水液など新薬が10年以上前から存在する為。
他に、大規模な好景気の継続、食糧供給の比較的安定、農業生産量の(機械化などによる)増大といった要因も大きい。
ただし人口構成は完全なピラミッド状なのは史実と変化なし。子供が非常に多いので、欧州列強に比べると人口に対する動員力(青年人口)は少し低くなる。
一方では、史実にあった満州、中華民国などへの人口流出(移民・一時居住など)は50万人から100万人程度少ない。
日本経済が好調で、海外に出て行かなくても食い扶持を稼げる為。
また、「満州国」は成立していないので、日本人の中に日本の新たな領土という認識、満州への移民熱が低い。
さらに満州への開拓団の集団移民は、少なくとも政府主導では起きていない。
・国民所得:
・1938年度(1939年3月時点):
536・4億円=190億ドル(1ドル=2円80銭)
・1人当たり所得は約250ドル(=700円)。
・概算で史実の約250%程度。
(史実に対して実質所得は200%程度)
・1939年秋の段階では、国家予算編成はほぼ平時。
一部、準戦時予算を投入開始した状態。
・参考:
・史実日本の国民所得は1939年度で約330億円=83億ドル・1ドル=約4円。1人当たり約113ドル。
ただし、日中戦争(支那事変)により既に戦時財政ブースト済みで、いびつに膨れ上がった状態。
過剰な戦費により1939年秋時点で、既に健全な経済は崩壊しつつあった。
さらに実際の為替は、もっと円安の可能性がある。日中戦争が泥沼化していた太平洋戦争勃発頃で、実質で1ドル=10円程度だったとする資料もある。昭和20年では、最低でも1ドル=15円だった。
・戦前のアメリカは、1930年台後半は1人当たり所得が600から700ドル程度。総人口は1億3000万人程度なので、国民所得は800から900億ドル。しかもこれは不景気の状態。
他の先進国(英仏)の1人当たり所得は500ドル程度。
この世界の日本の数字は一人当たりでイタリア以上だが、まだ先進国とは言えない。ただし全体の国民所得では、本国のみの比較だと人口差から既に英仏に匹敵。
・産油量:
・日本列島内:約60万トン
・北樺太油田:約250万トン
・遼河油田 :約900万トン
・北満州油田:約2500万トン
・総産油量は、当時のイギリス、ソ連に匹敵。
・満州の遼河、北満州は産油量が拡大中。1942年には全体の産油量は5000万トンに達する予定。
・輸入は非常に少なく、主に整備油、潤滑油用にアメリカから輸入するだけ。
・また、国際貿易上の付き合いで、蘭印の石油を若干輸入。
・中華民国には若干輸出も行う。
・国内の石油備蓄基地は殆どない。海軍が多少持っている程度。
・粗鋼生産力:
・粗鋼生産能力:約2000万トン。
・粗鋼生産は重工業化の典型的な指標。単純な数字はドイツ、ソ連を若干上回る。英仏との比較だと5割増し程度。
・平時は1800万トン程度。1941年度内に新規開業でプラス100万トン。
・戦時の最大数値は1943年で2200万トン程度。
・参考:
史実の日本は1939年次で669・6万トン。
米は6000万トン(最大8000万トン)、独2000万トン、ソ連1800万トン、英1300万トン、仏1200万トン程度。
ドイツは、順次チェコ、ポーランド、ベネルクス諸国、フランスを飲み込んでいくので、生産量は大幅に増大する。ただし占領地の生産効率は、サボタージュなどにより占領前の半減。
フランスの場合、鉄鋼地帯のアルザス・ロレーヌをドイツに割譲され、これだけでマイナス400万トン。残りはサボタージュなどで半減して400万トン。ゲームのようにうまくはいかない。
・船舶保有量
・船舶保有量:総トン数1240万総トン
・1939年度上半期時点。アメリカを僅かに超える。
(※アメリカは1920年以後20年間減る一方。)
・ただし日本は規格外の超大型船が総トン数のかなりを占めている為、総トン数に対して隻数は少なくなる。
・1941年12月まで平時だと想定した場合、約1500万総トンまで伸びる。
※史実:開戦時(1941冬)に100総トン以上の鋼製商船2445隻、639万総トン。
・造船能力:
・1年あたり平時で最大115万総トン
・1年あたり戦時で最大350万総トン
・史実の船舶用厚鋼鈑供給量の最大値は約120万トン。1年の限界建造量も120万総トン程度。船舶用厚鋼鈑供給量が、建造できる量を大きく左右する。
・この世界では、建造施設数、建造速度、船舶用厚鋼鈑供給量(製鉄能力)の全てが史実より大きくなっている。
だが、船舶用厚鋼鈑供給量が造船能力の上限となる。
・総動員可能兵力:
・最大動員能力は650万名から700万名程度。
・実際は500万名程度。半数が後方支援。
・国内経済と生産力の維持向上を考えれば、根こそぎ動員はするべきではない。
また、本土防衛戦といった末期的な状況でない限り、根こそぎ動員が行われる可能性は非常に低い。
・戦場が欧州中心で地上戦が少ないのなら、動員能力の半数から3分の2程度で済む可能性が高い。
・史実での開戦時(日中戦争が泥沼化した状態)が指標の一つになる。
・史実では農業生産の最低限の維持の為に、総人口と比較すると他国と比べて動員が十分できず。日本の農業が、労働集約型という人手を多く必要とする形態も影響。機械力、肥料の不足も大きく影響。
・この世界では、農業の機械化、資本集約化の一定程度の進展による食料生産体制の変化で動員可能数が増加している。また、肥料生産量の違いも大きい。
※史実、第二次世界大戦の「敗戦時」の兵力。
・内地で陸軍240万名、海軍130万名。
または、外地で陸軍300万名、海軍40万名。
これらに加えて、戦死者230万名。
(半島系、台湾系を除く)
●軍事力:
・陸軍
・開戦時(1939年秋)は22個師団体制。
内訳は、近代化を完了した3単位制の自動車化師団が12個、旧編成のままの師団が5個。一度廃止するも復活した師団が2個。戦車師団が3個。
(※史実の1941年12月時点は50数個師団。うち軽自動車化師団は3つ。戦車師団はなし。)
・一度廃止した残り2個師団の再編成を急ぎ、24個師団体制を作る。
・戦時動員では、まずは師団数を倍増。近衛、戦車を除く20個師団を二倍に。これで45個師団体制へ。1年以内に移行。
・2年以内に近衛、戦車も師団数を二倍に。さらに、海外遠征の進展に伴って留守師団10個を増設。60個師団体制へ。
・欧州派兵前に最初の動員を行いつつ、ソ連への対抗の為に半数を満州に移動。国内では駐屯地などを設置する場所が限られているのも理由。
・航空隊は600個中隊(6000機)体制へ。海軍と同程度の規模を目指す。
・海軍
・現有戦力
・内容は史実の同時期とほぼ同じ。大型の補助艦が多い。
戦艦10隻
航空母艦は大中小それぞれ2隻ずつ。合計6隻
重巡洋艦12隻、大型軽巡洋艦6隻、軽巡洋艦17隻
駆逐艦・特型以後50隻、旧式36隻、他
潜水艦・各種合計39隻、旧式小型駆逐艦、海防艦など他多数
大型水上機母艦4隻、大型潜水母艦2隻、大型高速補給艦4隻
(全て空母補助艦。改装はしていない)
・建造中
戦艦:3万5000トン級:2隻、4万5000トン級:2隻
航空母艦:2万3000トン級:3隻
軽巡洋艦:2種類6隻、駆逐艦18隻、潜水艦:12隻
練習巡洋艦2隻、海防艦など他多数
(※大型艦は全て計画時より排水量が10%以上大きくなる。)
・計画中
昭和14年度計画:
艦艇約400隻の建造、航空隊約500隊(6000機)の整備。
内訳は、戦艦4隻、大型空母5隻、巡洋艦20隻、駆逐艦150隻、潜水艦80隻、その他護衛艦艇120隻の建造。
戦艦は各種2隻ずつ。大型空母は新型の2万9000トン級3隻、3万5000トン級2隻を計画。巡洋艦は汎用型と防空型の2種類の軽巡洋艦。
駆逐艦は対艦攻撃力より、対潜、対空能力を重視。
潜水艦は情勢を見つつ数を調整する可能性あり。
●他国の史実との相違点:
・ソ連
・北樺太を保有していない。(産油量、国力の減少は誤差の範囲)
・大粛清での死者数が1%(10万人)増加。ただし、将校や官僚など国の屋台骨が多くを占める。
・「T-34戦車」の形が、足回りを中心に違う可能性あり。「BT」戦車シリーズも全然違う。戦車数全体の数と配備状況は同じ。
・「ノモンハン事件」での火炎瓶に弱いという史実の戦訓がなく、大口径砲に負けたという戦訓になる為、求められる能力が変化する可能性が高い。
・ディーゼルエンジン搭載が進む要素も減る。
・逆に日ソ紛争での正面からの戦車戦で敗北しているので、重武装、重装甲が進む可能性が高まる。
・日ソ紛争で、ソ連空軍はパイロットが約10%減。(ただしすぐに補充されるので誤差範囲)
・ソ連は日本の極東侵攻を恐れる度合いが史実より高まる。
・日本軍が強力なのが分かったので、史実が平時陸軍全体の30%だったものが、35%の常備軍を極東配備にシフト。時期によっては40%に達する。
・日本側も対応してチキンゲームとなる。
・独ソ戦が始まる1941年6月時点で、極東ソ連軍が40個師団基幹に対して、日本の関東軍(満州配備)は25個師団体制。
・ただし、独ソ戦開始後に日本と同じ陣営になれば、極東ソ連軍の全てをドイツ軍に対して使用可能となる。
(史実は配備した7割程度は極東から動かさなかった)
・独ソ戦開始後に日本が味方となれば、太平洋側、極東側から早期かつ安全に支援物資を送り込むことができる。
・しかし、アメリカでの民意の面での強い反共姿勢から、アメリカがソ連に対するレンドリース(貸与)を行うかは未知数。
・アメリカ
・国力、生産力は史実との変化は誤差の範囲。
・民意の面で史実よりもかなり反共産主義の傾向が強い。
・ルーズベルト政権は1938年秋の中間選挙敗北以後はレームダック。政治的な勢いがない。
・ルーズベルト政権内の左翼勢力の多くが、既にパージ(粛清や左遷)されている。ただし、それでもかなりの数が残っている。もしくは潜んでいる。
・1939年9月時点での軍備拡張は史実とほぼ同じ。だが海軍拡張の機運は、日本との関係が良好なのもあってやや低調。
・イギリス(英連邦)
・国力、生産力は史実との変化はほぼ誤差の範囲。
・オーストラリアが、日本との取引拡大、資源開発で所得と開発が若干向上。
・親日政策により、アジア・太平洋の安全が確保できる。
・ドイツ
日本との防共協定(同盟関係)なし。
史実との変化は誤差の範囲。
・フランス
・イタリア
・史実との変化なし。
・ポーランド
・フィンランド
・日本の支援、援助が少し入っているが、ほぼ誤差の範囲。一部で日本製兵器が見られる程度。
・中華民国
・大規模な内戦が泥沼化。
・主に張作霖率いる中華民国と共産党が戦っている。蒋介石は青息吐息で、南部の奥地に篭っている状態。
・国自体は、張作霖が掌握している範囲ではそれなりに安定。
・満州は事実上日本によって切り離された状態。
・満州の開発は、石油、農業以外は史実より少し遅れている。
・東トルキスタン地域は、共産党、蒋介石の完全敗北を見越して、ソ連が浸透を強化しつつある。
・対抗して、イギリスがインド側からチベットへの浸透を強化。
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少し長めです。
__________________
.。゚+..。゚+.玲子の部屋.。゚+..。゚+
お嬢様「メタ視点! つまり、私の独擅場ね!」
体の主「なんだか、小難しい事ばかり書いてありますわね」
お嬢様「ん? んんっ?! なんで、あなたがいるの? 私の子供になってまだ生きてるでしょ」
体の主「細かい事をおっしゃらないで下さるかしら。眠っている間に顔を出させて頂いただけでしてよ。それに醒めれば全部忘れますわ」
お嬢様「……なんだか懐かしさを感じる返しね」
体の主「そんな事より、何かおっしゃりたそうね」
お嬢様「ええっ! 15年間頑張ってきた甲斐があったわ! これがその成果よ!」
体の主「わたくしとの勝負より、こちらの方が大切のようでしたものね」
お嬢様「そりゃあ、もう。私も一族も財閥も、日本が安泰なら破滅しないもの。それより何かコメントは?」
体の主「あまり興味ございませんわ」
お嬢様「あっそ。けど、戦争になれば分かるわ。強いわよ、日本は」
体の主「それは何より。では、さっさと戦争を終わらせて下さいな」
お嬢様「いやいや、まだ始まったばかりでしょ」
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