002 「外伝・幕間の展開予定?」
お嬢様(頭に輪っか付)「アレ? まだ始まらないの?」
シズ(頭に輪っか付)「はい。皆様ご歓談中で、まだ誰も来られていないようです」
お嬢様「じゃあ、しばらくお茶でもしてようか」
シズ「それでは時間がもったいのうございます。今後の要望、希望などが寄せられておりますので、ご確認をして頂きたく存じます」
お嬢様「死んでなお仕事しろと? まあいいけど」
シズ「では、こちら目録になります」
お嬢様「エ? 多くない」
シズ「今まで寄せられた多くの感想もございます。中にはネット上での噂、オフで直にお聞きしたものなども御座います」
お嬢様「なるほどねえ。けどさあ、私に言われても仕方ないんだけど」
シズ「ですが、窓口はお嬢様しか御座いません」
お嬢様「……納得いかないけど、じゃあ仕事するか」
シズ「はい、では部屋の移動を」
お嬢様「こんなところに仕事部屋まで用意してあるとか、ある意味地獄ね」
・ ・ ・
お芳ちゃん(頭に輪っか付)「来た来た」
舞(頭に輪っか付)「久しぶり、玲子ちゃん」
お嬢様「お芳ちゃん、マイさん、お久しぶりです! ていうか、私たちの昔の仕事部屋だ。懐かしいー。二人も昔のまま」
お芳ちゃん「お嬢もね」
舞「懐かしいわよね。それより、一通り同じような内容で分類しておいたわよ」
お芳ちゃん「で、お嬢が見てるのがその目録」
お嬢様「……昔の仕事の段取りと変わらないとか、業の深さを感じそう」
お芳ちゃん「愚痴言ってないで、お仕事お仕事」
舞「みんなが来る前に片付けないとね」
お嬢様「みんなって言ってもバラバラですよね。マイさんの家は全員顔だしてくれるんですよね?」
舞「顔出しくらいなら全員来ると思うわよ」
お芳ちゃん「でも、なんなんだろうね、ここ」
お嬢様「お盆みたいなものじゃないの?」
舞「私は、玲子ちゃんのお迎えみたいなものだって聞いたわよ」
お芳ちゃん「お嬢が最後だもんね。舞さんも遅かったですよね」
舞「玲子ちゃんより10年ほど早かったけどね」
お芳ちゃん「私は早かったからなあ。お嬢の座談会も早く終わらせて、未来の話を聞きたい」
お嬢様「それじゃあ、まずはこれをさっさと終わらせましょうか」
・ ・ ・
舞「どういう形で進める?」
お芳ちゃん「私たちが交互に質問、要望を読み上げて、お嬢が答える、でいいんじゃあ」
お嬢様「専門的なもの以外はそれで」
お芳ちゃん「専門的なことは?」
お嬢様「私がディープなミリタリーの疑問質問に答えられるとでも?」
舞「無理よね。私もだけど」
お嬢様「詳しい人が早めに来たら、その人に聞きましょうか」
お芳ちゃん「鳳は軍人も多いもんね」
舞「それじゃあって、やっぱり軍事関連が多いんだけど、どうする?」
お嬢様「そうだなあ。作戦や兵器の話とかだったら無視する方向で」
舞「了解」
・ ・ ・
お芳ちゃん「じゃあ、最初の質問。『この世界の第二次世界大戦はどこまで触れるんですか?』」
お嬢様「叙述形式の概論と年表ね」
お芳ちゃん「その為の外伝だからね」
お嬢様「あと、私達のショートドラマ。その後、私が生きていた時代まで駆け足で追いかけるみたいよ」
お芳ちゃん「そっちの方が興味あるなあ。でも小説で紹介しないんだ」
お嬢様「ライフワークになるから嫌だって」
お芳ちゃん「そりゃごもっとも」
舞「次の質問ね。『第二次世界大戦でこの世界の日本はどんな兵器を作るのか、可能ならカタログスペックや外観イメージなども知りたいです』。これはなしね」
お嬢様「そうですね。知らないってそんなの」
舞「玲子ちゃんって、『その兵器で勝てるの?』くらいしか聞かなかったものね」
お嬢様「餅は餅屋。私には、逆にそれ以上必要だとは思えないんですけど?」
舞「そうよね。あとは値段と量産効率くらいかしら?」
お嬢様「うちは作って売るのが商売ですからね」
お芳ちゃん「じゃあ、その手の質問は飛ばして『この世界がどんな「現代」に至るのか興味があります』だってさ。私も興味ある」
お嬢様「最初に言ったけど、私が死ぬ西暦2020年くらいまでダッシュで追いかけるみたいね」
お芳ちゃん「それじゃあ、年表? それとも概論?」
お嬢様「両方。うちは商人だから、経済中心の話になるみたい。あと軍オタ向けに21世紀現在の軍備は触れるかもって」
お芳ちゃん「軍オタ? 21世紀はそんな言葉使うんだ」
舞「これも似た感じね。『本編後の話を見たいです』」
お嬢様「少しだけ、小説パートもあるみたいですよ。けど人数多いから、全員出られるかなって。だから毎回、別コーナーで可能な限りおしゃべりの場を作るらしい、って。これ、毎回するんだ」
舞「お疲れ様。でも戦後だと私30超えているし、出演は辞退したいかも」
お嬢様「マイさんは幾つになっても綺麗ですよ。とはいえ、21世紀は避けたいかなあ」
舞「80超えのしわくちゃおばあちゃんのおしゃべりとか、よそ様に見せられないわね」
お芳ちゃん「まあお話が現代に近かったらお任せするね。で、次だけど、これは酷いなあ」
お嬢様「どんな質問?」
お芳ちゃん「要望だね。『やっぱり、日米のガチバトル見たい。そういうアナザーワールド展開を希望! オルタナティブでもオケ。強い日本海軍サイコー!』」
お嬢様「脳汁ぶしゃーの願望ね。そうならない為に頑張ったし、サービスで戦略研での日米戦のシミュレーションもしたじゃない」
舞「そういうのなら、ここにもあるわよ。『日米戦をして欲しい。でもやはり日本が負けるだろう。それなら単なる敗北ではなく、戦後この世界の日本が東西に分断された世界が見たいです』」
お嬢様「負ける上に日本分裂とか、どんだけ罰ゲームよ! 東西ドイツかよ!」
舞「日本滅亡よりマシだけど、ひどいわね。でもこれ、ネタみたいよ。別世界とのオマージュ希望っていう」
お嬢様「つまり、他人様の世界観を間借りしてこいと? 流石にそれはダメでしょ」
舞「オマージュ、リスペクト、パロディ、言い方は色々あるみたいね」
お芳ちゃん「同じ要望というか願望も多いみたいだよ。『この世界での戦後日本の分断ネタは無理ですか?』って」
お嬢様「どんだけ日本を分断させたいの? ていうか、どこで分断するのよ。バラバラ? 関東? 東北? 北海道? 樺太? 樺太なんて気象厳しいから農業ほぼ無理ゲーだし、大規模な工業するには地下資源はともかく水が足りないし、まともな国できないでしょ。あそこって、原生林の材木資源が尽きたら、多少の石炭とコストの高い海底の油とガスだけよ。小さな資源輸出国が精一杯」
お芳ちゃん「無理ゲーだから見たいんじゃない?」
お嬢様「無理ゲーなら尚更しなくていいでしょ。そんなに勝ち組が不満?」
舞「日本が勝ち組なのが気に入らない人は多いみたいね。何故かしら? 『日本が最初から勝ち組とか、架空戦記の意味半減。リベンジマッチの日米戦をしないで何の意味があるんだ』だって」
お嬢様「うるさい黙れ。私は死にたくない。ってゴメンなさい」
舞「私より要望者に謝ってあげてね」
お嬢様「ううん。むしろそっちに謝る気はない。何が不満なのよ?」
お芳ちゃん「その答えもあるよ。えーっと、これこれ。『日本が史実のように敗北しなければ、戦後の大規模な改革、社会全体の新陳代謝の大幅な促進、戦災に伴う様々なインフラのドラスティックな再構築などが未発になるので、戦後の高度経済成長が期待できません。どうお考えですか?』だってさ」
お嬢様「そう言われてもなあ。どう考えても同じ道はありえないのは確かだけど」
お芳ちゃん「それでお嬢達は、苦労するんだっけ?」
お嬢様「知ってるのと違う状況だったからね。まあ、おいおい語られていくでしょ。次は?」
舞「次は予測ネタね。『日本勝ち組と見せかけて、ナチス勝利エンドですか? それはそれでアリです』だって」
お嬢様「結局日本が負けるって? アメリカが不参戦だと、その結果はあり得そうだなあ」
舞「その場合、日米とドイツで冷戦かしら?」
お嬢様「ドイツとソ連が不可侵条約維持したままなのかも」
舞「その可能性もあるのね。でも、すごく暗い世界になりそう」
お芳ちゃん「でもお嬢は、その可能性はないとあの頃から見てたんだよね」
お嬢様「ヒトラーとスターリンがズッ友とか、天地がひっくり返ってもあり得ないでしょ。あるとしたらアメリカ不参戦ね」
舞「結局、アメリカ次第か」
お嬢様「国力と生産力が桁違いですから」
お芳ちゃん「まあ、今後の展開に期待、だね」
お嬢様「次回から第二次世界大戦だもんね」
シズ「皆様、そろそろお時間です。お嬢様はお部屋にお入りください」
お嬢様「はーい。それじゃあ、始めますか」
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