第6話 魔法
で、魔力の制御はできるようになったのかって?
そりゃもちろん。だって神様に教わったんだよ?できるようになってなかったら相当ポンコツだわ。
「え?チナリはポンコツじゃないの?」
あ?
「ヒエッ、何でもないです。」
でも私の魔力の量が規格外すぎて神様もなかなか苦労していた。
まず私の体内に魔力が収まりきらないのだ。
そのため魔力の制御をただ鍛えるのではなく、魔力の圧縮を先に学んだうえで魔力を制御することにした。
魔力の制御ができるようになったので私は森で魔法の練習を開始することにした。
神様は多分大丈夫と言っていたが私は命を狙われるのではないかということを危惧していた。
こんなに規格外の人間を放置しておくのは国にとって非常に危険なことだろう。そして私がこのヘリティア王国に癒着すると国力のバランスがおかしいことになる。
多分1人でヘリティア王国滅ぼせると思うし周りの国も亡ぼせるだろう。私が王様なら世界各国に呼び掛けて真っ先に始末するだろうね。
私の魔法練習場所はウッズヘルキンス伯爵領の端っこのほうの山岳地帯で行うことにした。
でも最初は森の中で魔法の練習をした。先に身体強化の魔法を習得したかったのだ。そうすれば移動の速度が上がるからだ。
「いい?魔力制御で大体感覚つかめているだろうけどその魔力を小分けにして外に出すイメージ。そして身体強化の場合は強化したい場所に魔力をくっつけるイメージをして。」
外に出すイメージ……。
できない。
できない。
できない。
できない!!
「あ、詠唱必要だよ。」
「先に言え!!」
なんかこの神様いつも言うことが遅いんだけど。もっと早く言ってくれれば明らかに時間短縮になるのに。馬鹿なのかな。
ということで、頭の中で身体強化とつぶやく。
すると体内から小分けになった魔力が外に出ていくのを感じる。
「おおおおおおお!なんか強くなった気がする!」
「ちょっとジャンプしてみて?」
私はどれほど自分が強化されているのかわからないので一応軽くジャンプしてみた。万が一にもめちゃくちゃ成功して大気圏とか突入したら困るからだ。
優しく地面を蹴ったのだが……。
「うわぁうあうあぁあわあわあ!!ちょっと!!!」
「うへへ!あはははっはっ!んひっあはは!!」
「ちょっと笑ってないで!!どうすればいいのか教えなさいよ!!」
「もう、散々な目にあった。ちょっとくらい助けてくれたっていいじゃない。」
「ごめんごめん。あまりにも面白くて。あ~、思い出したらまた笑えてくる。ププッ!」
ブチッ
「マジで嫌い。」
「そんなに怒らないでよ~。で、どうだった?」
私ちょっと感じてしまったんだよね。魔力を小出しにして出すわけでしょ?魔力を出すには何らかの合図、先ほどだったら身体強化っていう詠唱だね。あれが必要なんだけど、多分私詠唱なくても魔力を放出する方法思いついたかもしれない。
ちょっとやってみる。
まあやり方は簡単だ。圧縮している魔力を少しずつ圧力を弱めていけば体の中に納まりきらなくなった魔力が少しずつ出てくるのではないかということだ。
その魔力を意識して強化したいところに集めればいいのではないかということだ。
「うし、ちょっとやってみるか。」
一気に圧力を弱めていくと魔力が爆発するのでゆっくr
どかぁあぁあああああああああん!!
ちょっと一気に圧力を弱めすぎたようで爆発してしまった。
ていうかさっき落ちた時もそうだったけど私HPがありすぎて全然瀕死とかにならない。
よし、気を取り直して今度はほんとにもうそうめんみたいに細く出してやる!
おお!おおお!!
できたできた!!いい感じに足に魔力をまとわせることに成功した!
普通に詠唱ありでやったときもうっすらとしか魔力が付いてないので多分今度はいける!
でも一応小さく飛んでみた。
「よっしゃ!成功だ!!」
作戦は大成功。私は詠唱いらずで魔法を使えるようになった。
その日、ウッズヘルキンス伯爵領とその周辺の土地から隕石が観測された。
赤い炎を上げ、天から降って来た火球はどうやらウッズヘルキンス伯爵領のどこかに落ちたようで、隕石が確認された後、森で大規模な爆発が確認された。
隕石の素材は世界中の科学者が欲してたため非常に高く取引される。冒険者が血眼になってあたりを捜索したが、結局隕石が見つかることはなかった。
そんな、みんなが血眼になって探した隕石は今、ホテルの一室で一人でぶつぶつブチ切れているとか。
「神様!私あんなに怖かったのに!!私スカイダイビングなんてしたことないのに!!ずっと笑ってるなんてひどいじゃない!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます