第2話大久保会

海城に入ってすぐ悪友が何人かできた。彼らと結成した、不良組織というかまあ馬鹿軍団が「大久保会」であった。毎日のようにカラオケBOXやドトールなどで馬鹿騒ぎをし、学校も次第にサボりがちになっていった。二宮、川村、安倍、竹葉、太田、篠田、円谷と豪志の8人で徒党を組んでいた。今なら分かるが、二宮、川村、竹葉、篠田がホモであり、安倍、太田、円谷、豪志がヘテロであった。ただ、当時の豪志がそんなことを知る由もない。

卒業時のサイズは太田が一番大きくて182cm。篠田が176cm、安倍が174cm、円谷が173cm、豪志が172cm、竹葉が170cm、二宮が168cm、川村が165cmくらいだったと思う。

海城生の平均が173.7cmくらいで、篠田がよく「海城デカイよー!」と嘆息していたのを覚えている。

大久保会のメンバーは1年生の時分、高校数学教育で有名な淀重弘先生が担任のクラスで同窓であった。覚えているのは、1年生の1番初めの中間テストで、クラス50人中、太田が48番、豪志が49番、竹葉が50番だったのだ。やはり、中等部出身者が勉強も進んでいてこの時点では高校入試組は付いて行けなかったのである。

まあ、卒業時には結局は逆転して、太田が現役で早稲田の理工、竹葉が一浪して慶応の法学部に進学するのであるが。1年生の時点では皆、各公立中学で遊びながら好成績を取り続けてきた連中であったので、正直、面食らったものだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る