同居人はポメぬい
華創使梨
第1話 ポメぬい
高校三年の夏、俺は好きだった人に告白した。相当勇気を振り絞った。でも、帰ってきた言葉は無慈悲で
『は?男同士だぞ?キモ』
まぁ、そうだよな。そんな苦々しい思い出を背負ってはや二年。大学二年生になった。
俺、雨蝶ミクは、あ、言っとけどちゃんと俺は男だかんな。
外見だって地味だ。身長も170ぐらいで男の中では普通の分類で細っちいと思う。黒髪はギリギリ結べるぐらいまで伸びてきた。
そんな俺には悩みがある。
また俺は男を好きになってしまった。本当、最悪だ。でも、もう失敗はしない。俺のこの気持ちは閉まって、普通に友達で居ようと決めた。だが、そのせいで感情がよくわからくなって…冷たい態度をとっている気がする…
「マジでどうしよ…」
大学を出てすぐ
「みーくんっ!」
「うぉ!」後ろから緩い声で抱きついてきたのは、上村響夜。
人懐っこい雰囲気があってふわふわしてる。おれと違って顔が良く、女子曰く、癒し系の韓流アイドル?の顔立ちらしい。切れ長の目に長い下まつげ。天パの入った薄茶髪。肌はそこら辺のファンデを塗った女子より綺麗。可愛らしい顔立ちの割に身長も180と高い。大学なのに学園の王子様ともてはやされている。
こいつが俺の想い人だ。
「講義終わり?暇?」
「バイトだよ。話しかけんな」
「え〜でも話しかけられて嬉しいでしょ?」
「はぁ!そんな訳ないだろ!嬉しくねぇし!」
響夜は逃げないように俺の肩を抱いて歩みを進める。響夜と俺は高校からの付き合いで、大学入ってから自覚してそっから冷たくなってる気がする。
「も〜素直じゃないんだから!」
「女子みたいなこと言うのやめろ!!キモイ!」
「嬉しいくせに〜」
響夜が俺の方を抱いて楽しそうにする
「のけや。天然マネキン野郎」
「まぁまぁ!そんなみーくんにいい物あげる!」
「あ?」
「はい!ポメぬい」
と前に出されたのは響夜と同じ髪の色の手のひらサイズのふわふわした毛玉の人形だった。
「何これ?」
「ポメ(ポメラニアン)!俺似て可愛いでしょ?勉強の癒しにどーぞ!」
と子供のように渡す響夜はものすごく可愛い。
「お、お前に似てなきゃこの百倍可愛い」
「え〜酷〜!」
俺はポメぬいを受け取って、
「あ、俺こっちだから。じゃ」
「え?うん」
俺は赤面を隠す為に着いた駅の改札に走った。
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