第7話  校舎裏へ––––

セーーフ!!ギリギリ間に合った。

チャイムが鳴り止む最後の1コールで

席に着くことができた。

昨日の告白を誰かに見られて話しかけられないか

すごくドキドキして周りをキョロキョロする。

けれど、誰も話しかけてはこなかった。

クラスメイトとは、クラス替えをしてから

あまり話していない。仲のいい友達は

別のクラスへいってしまったから。

とても寂しい。新しい友達も作れていない。

でも翔君が、「おはよう。」

と、挨拶はしてくれた。

知っている人には全員挨拶してるらしい。

そこがモテる理由のイケメンポイントかもね。

まぁ、朝に挨拶される度に後ろの席のリコさんから

睨まれている気がするんだけど。

友達いないから、話しかけられない限りは作戦を

もらす心配はないと思っていた。

けれど、周りを見渡して気がついた。

私を見る視線がいつもより多かったのだ。

人によって種類は違っていて憐れむようだったり、

ワクワクしたものだったりと。

でも、気のせいだと思うことにした。

私は、バカだから考えても答えは出ないはず

だからだ。

「起立」

日直が声をかける––––



昼休みになった。

カバンから手紙をこっそり取り出し校舎裏へ

誰にも見つからないように注意しながら向かう。

教室はガランと空き、2、3人本を読んだり絵を

描いたりする人しかいなかった。

翔君も既にいない。

いつもよりも教室にいる人が少ないかも。

校舎裏へと続く道をドキドキしながら歩く。

そして、翔君の待つ校舎裏へと着いたのだった。

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