[変更済]MISSION 17 :巨鳥と戦乙女は夜空を飛ぶ
<コトリ>
《メインシステム、パイロットデータ認証。
神経接続良好、通常モード起動するよ》
いつも通りに背中の端子と座席をつなげて、視界は私からペラゴルニスのカメラアイに切り替わる。
システムのチェック項目は全部の確認に2秒、動作は軽く、8秒。
傭兵系美少女、なんていうぐらいなんだぞこの大鳥ホノカちゃんは!
このぐらいの事は息をするぐらいにできまーす!
「にしても直前でアセン変更か。
いるかな、この左の小型レーダー?」
<コトリ>
『三式武蔵の頭部のレーダー性能はいいけど、もしものためにECCM……つまりレーダーを阻害する奴を打ち消す性能があるのを積みたかったしね。
ギリギリだったよペラゴルニスの脚には。
フロートはだからあんまり好かないんだよね……やっぱ逆脚さ』
「コトリちゃん本当、逆脚好きね」
<コトリ>
《死んだ後も、O.W.S.の重逆は最高だと思ってるよ》
<カモメ>
『ホノカさん聞こえますか?
間も無く、当潜水輸送艦はまもなく潜水不可能水域を航行します。
この水域は、かつて水の無い時代の山脈に当たり、
その山は今、海の中では岩礁となって今は海上を通る以外の手段がありません。
しかし、運悪く直前で海面に発射したリコンが、こちらに接近する対潜ヘリを捕らえました。
ヘリのタイプ照会から航続距離を割り出した結果、敵艦艇との交戦は避けられない距離です。
ホノカさんのペラゴルニスには、海上の敵の排除をしていただきます』
「おけー。
ていうかヘリだけなら良いけど……ひょっとしてヘリの近くにはヘリを出しているお船があるんじゃ?」
<カモメ>
『ええ、残念なことに。
運が良ければ、高速型ヘリ空母と護衛艦数隻。
運が悪ければ、正規型空母と護衛艦隊です』
「1機でそれ落とせっていうのー?」
<オルトリンデ>
『一機やないんやな、これが!』
と、なんとリンちゃん登場!私以外出撃は無理だったんじゃ?
<オルトリンデ>
『ペラゴルニスだけ最初から解体しなかったの見て、ウチのスカイヴァルキュリアもこの数日でちまちま組み立てていたんや!
てか近くにおったのに気付かへんのかい!』
「はいはい、私が鈍感でしたー。
ま、お互い揃って生きて帰れると良いよね」
<オルトリンデ>
『せやな。
じゃ、お互いほぼ空中戦や。
河童にだけ気をつけて行こうか』
「河童?」
<オルトリンデ>
『
海上で水没して死ぬなってことや!!」
「へー、火星の海の戦場には出るってわけか、河童」
こりゃ、河童には確かに気をつけないとな……!
できれば、まだ墓参りできてないおばあちゃんのところに骨は埋めたい!
<カモメ>
『発艦準備開始します。
機体へカタパルト装着!』
私の視界が90度上へ。
ペラゴルニスが壁にあるレールを走ってきた射出する為のやつに固定されて、真上のハッチが開いていく。
「あ……綺麗……!」
夜中2時の空は綺麗だった。
こんな満点の星空で、ドンパチしちゃうんだ……
<カモメ>
『リニアカタパルト、ボルテージ
コントロール、
<コトリ>
《メインシステム、戦闘モード起動。
ブーストする感覚でやれば射出だ、やって!》
「おっけー!
ペラゴルニス、いっけー!」
瞬間、真上へ弾けるように吹き飛ばされ、レールに乗って加速する私達。
穴の先の綺麗な夜空が、一瞬で視界全てに大きく広がる。
まぁ、と言っても戦闘に必要な情報もちゃんと映ってるけどね!
ペラゴルニスの翼が開いて、戦闘機みたいな脚部が凄まじい推力を生み出して私達を飛ばす。
隣で同じく空へ向かう逆関節のウネウネな脚のスカイヴァルキュリアと一緒に。
<コトリ>
《目標高度。
わーお、ミサイルきてるぞ!!》
「マジだ!」
真正面からミサイル。とっさにペラゴルニスのコアの
<オルトリンデ>
『あらまぁ、対潜ヘリだけかと思うたら……浮上のタイミングで用意したってところか!』
<コトリ>
《敵戦闘機を確認。
まだロックオンしてる》
カメラにとらえた戦闘機の姿が私の目に直接映る……!
「戦闘機か……初めてじゃん!」
<コトリ>
《空を自由に飛びたいな、っていう人類の夢の結晶。
と言っても存在自体血生臭いし、鳥っていうより空飛ぶマグロだよあんなの!》
ロックオン警報。ミサイルがくる。
「マグロ……動物番組で見たよ!
メタクソ美味いし、めっちゃ泳ぐのが速いって!」
避けている間に、絶妙に遠くで位置を変えたもう一機がまたミサイルを撃ってくる。
斜角ってやつのせいでCIWSは無理だ。
じゃあ、とライフルで撃ち落とす。私って射撃だけは腕がいい!
<コトリ>
《そうだ、あいつらは速い。
速い上に空中では動きが良くて、気づかない距離でミサイルを放ってくる。
ほら、もう来た!》
今度は、下向いて飛んでる私をペラゴルニスごと頭と足から挟むみたいに!
ストライクブースト!
加速して着弾前に位置をずらして、ミサイル同士を追突させて事なきを得る。
「空中戦で勝てるかな?」
<コトリ>
《奴らに近い事ができるからこそ、ペラゴルニスはドッグファイトはキツいかも》
「だよね。ならばこうさ!」
────これでも経験積んでまして、レーダーに映る反応見ながら動いてましたー。
見えるヘリに狙って───ボン!!
まずは戦闘機を無視しして、爆弾だかなんだか持ってる厄介らしいヘリを落とす。
<コトリ>
《いい判断だね。
まぁ後ろからロックオンされてるけど》
たしかにピーピー警報うるさーい!
「まぁそこは!」
<オルトリンデ>
『───ウチに頼ると高くつくでぇ!?』
後部カメラに視点を合わせたら、遠くで爆発が見える。
ズーム……爆散する戦闘機を横切る逆関節機のストライクブーストが見える。
リンちゃんのスカイヴァルキュリア、名前通りに空ではすごく速い!
なんだろう、右の背中の翼見たいな武器が余計に格好良く見える!!
そしてそんなカッコいい機体が、戦闘機のミサイルを華麗にアサルトブーストで避けて、一気に近づいて回避させる間もなく右腕のガトリングで落とす!
華麗だなぁ……!私は地味ーにヘリを落としていきまーす。もう3機。
<オルトリンデ>
『ヘリとデカいのは譲ったる!
特に向こうにいる空母はすぐ落としてぇな!?』
「おけー!」
<コトリ>
《……?レーダー範囲外だけど、今空母って言った?》
「え?」
そういえば。
<オルトリンデ>
『いつも言っとるやろ、ヒナちゃーん?
ウチはネオやで?そんぐらい見なくても分かるっちゅーねん!』
<コトリ>
《通信してないぞ私の声は。
ネオ・デザインドビーイング怖……》
<オルトリンデ>
《ウチは未強化やけど、脳波コントロールだけで強化人間並みの操作出来るんやで?
なんなら、無人か有人か、どころか無人でもちょっとなら考えてること分かるんや。
知っとるか?コトリちゃん、やっぱ機械らしいから、逆に心が整理されててわかりやすいねんな。
ここのビビり散らかしてる戦闘機とちゃうな!!》
なんと、蹴りできる距離まで近づいて脚で戦闘機を落とすリンちゃん。
マジか、すごいな。
ただ強いだけじゃないって改めて感じる。
<コトリ>
《……量子力学だったか生物学かの分野で、ある種の生物は生物特有の素粒子波動だとかを感知できるって話があったらしいね。大昔の未だ私も半信半疑な論文。
ただ、どうも臭気、音波、整体電流、熱以外で隠れた生き物を探せる生物はいるらしい。
化学の発展で上の理論とその素粒子の探知方法が案外簡単だって解った結果、一応この頭部にもついてる機能である『生体センサー』が生まれた。
人間かそれ以上のサイズの生物のだすそれを、感知してロックオンする機能。
電磁波を使ったレーダー照射と違って、機械の再現だと距離が短いって弱点がある》
「急にどうしたのコトリちゃん?」
<コトリ>
《……いやね、その研究でいうと、30cmの生物でも1km先の獲物をその方法で見つけられたらしいんだ。
じゃあ、オルトリンデって身長高いよね?
170cm以上あるよね、12歳なのに……そんな生物が、生体センサーの元になった感覚を持ってたら、もしかして単純な大きさの関係上なでとか考えちゃってさ。
いやぁ、ほら言う通り見えてきたじゃないか》
コトリちゃんの言葉をすぐ理解できた。
視線の先、暗い海の向こうに……空母が、いた!
「レーダー範囲ギリギリ……!
増設してこれ!?」
<コトリ>
《ネオ怖ーい。
……これ70年経っても強化人間で再現できないとかマジ?弛んでるぞO.W.S.周り》
<オルトリンデ>
『空母だけやないな。
ロックオンされた!ミサイルくるで!』
リンちゃんの言う通り、カメラにミサイルが映った……ってかデカい!?
撃ち落とす!右腕のスナイパーライフルで……はい撃破!!
「何がいるの!?」
<コトリ>
《護衛の駆逐艦さ》
駆逐艦!?怖い名前!!
しかも見えた……空母っていう、なんか海に上に道路みたいな感じのが浮かんでる船の横の、いかにもな見た目のお船が2隻!!
<コトリ>
《全部沈めるか無力化しないとね。
空母は、そのままだと戦闘機もヘリもガンガン飛ばしてくるし……ほら飛ばしてる》
あの道路が発着場なのね……大砲とかない代わりにってことかー……ヨークタウンの私ん家的なやーつ。
<コトリ>
《問題は駆逐艦だね。
砲もあるしミサイル撃ってくるし、お船同士の戦いのための魚雷もある。
文字通り、海の敵全部駆逐しますって船だ》
「その海の敵って私たちも入ってる?」
<コトリ>
《今どこ飛んでるのかな?》
「ですよねー」
<コトリ>
《よし、じゃあここはeX-Wらしい戦いをしようか。
────高度落として。海面ギリギリを飛びよ》
「おっけー!」
<オルトリンデ>
『ついてくで!!』
落ちるように、ブーストを切って下へ向かう。
ミサイル、そして戦闘機たちが来るけど一旦無視。
あ!当たってEシールド減衰したぁ!?
失敗失敗……でももう海面近く!
海面スレスレでブースト再点火。
爆発するみたいな水飛沫を上げて、空母へ向いて……
ストライクブースト、起動!
────キュゥゥゥン!!
一気に速度計が音速を超える。
<コトリ>
《高度低いと音の速度速くなるから普通音速超えられないのにな!》
コトリちゃん曰くそうらしい!
早すぎて通り過ぎたヘリが、なんか衝撃波で落ちちゃった!!
でも流石にエネルギーギリギリ……ここでストップ!
慣性飛行しながら……まずは!
<コトリ>
《爆雷ミサイル行くよ!!
ロックオンと同時に発射!!》
ロックオンマーカーが赤。
発射!!
背中から放たれた一発、真上へ飛び出したそれが、放物線を描く。
<コトリ>
《一発目は落とされる!!
後四発は撃って!!》
言われた通り、用意が出来次第ロックオンした空母へミサイルを撃つ。
周りからこっちへ、船の上にある小さく見えるけど実際はかなり大きいガトリングが撃たれるから、回避は大変。
でも、多分だけど目的は私の方じゃない。
一発目のミサイルが、そのガトリングに撃ち落とされて爆発する。
暗い空に伸びる弾丸の光が、ミサイルをなんとか撃ち落とそうとヘビみたいにうねる線になっていく。
<コトリ>
《駆逐艦の対空砲火はやっぱ強いな!!
二発当たれば運がいい方!!》
つまり、全弾今撃ち落とされたのは普通の出来事か。
「ミサイル撃ち続ける!?先に対空砲潰す!?」
<オルトリンデ>
『予定変更や。ウチがちょっとだけ駆逐艦黙らすわ!』
リンちゃんの無線が入った瞬間、後ろ向きのカメラに映るスカイヴァルキュリアが駆逐艦に向かう。
<オルトリンデ>
『おもろいもん見せたるで、驚け!
───サテライト!行けぇッ!!』
スカイヴァルキュリアの、あの右背中の翼みたいなのが開いた!?
と思ったら、分離した!?!
「何アレ!?」
分離した武器は、良く見るとライフルみたい!
そんなのが、eX-Wのびっくりのアサルトブーストの動きで駆逐艦に!?
<コトリ>
《アタッカーサテライト!
久々に使うの見たかな!?》
空飛ぶライフル、アタッカーサテライト、とか言うのは、ビュンビュン飛びながらマシンガン見たく弾をばら撒いて行く!
すご……まるで一個一個蚊とかハチみたいな動きで近づいて、お船のガトリングとか狙ってる!
それも、中に混じって近づいたスカイヴァルキュリアもミサイルランチャーとか破壊してる!
<コトリ>
《アレはさ、本来は浮遊砲台として自機の周りに浮いて攻撃するか、その場に止まって自動で攻撃するものなんだ。
けど、悔しいけど
まぁ、見ての通りネオが使うとああなる》
あんまり時間もかからず、お船が一隻何もできない置物になった。
<オルトリンデ>
『ふいー……やっぱお船は硬いなぁ?
船体に傷付かへんやったら、それ以外潰すに限るわ』
「じゃあこっちもまだ空母狙いか!!」
じゃあ今きづいちゃったことしちゃうか!!
ペラゴルニスのストライクブーストを起動して───ハイ、超高速で空母の側面きました!!
<コトリ>
《そう言うことか》
「そういうこと!!」
ここから、ロックオン!
爆雷ミサイル発射!!
空母のすぐ真横から、ミサイルが上に上がる。
避けないとな……シミュレーターでどう言うのかはヒナちゃんに身体で覚えさせられたミサイルだし。
空母にあるガトリングで一発は撃ち落とされる。
けど、逃れた三発は、空中で分裂。
爆雷ミサイル。
その名前の通り、爆雷っていう爆弾が仕込んであって、真上でそれを落として広範囲にばら撒く物。
爆雷は、空母の飛行機が飛び立つ道路みたいな甲板の上に、次々ぶち当たって穴を開ける。
リコン射出して視界を送ってもらって見てた。
はい、追加で発射。もちろんすぐ真横で。
「たーまやー!!」
<コトリ>
《かーぎやー!》
発進しようとした戦闘機を、爆殺!
逃げる人は燃えてるし、軽い地獄でちょっと申し訳ない……あ、すぐ真横に海に飛び込んだ人いた。
<コトリ>
《まさしく急造艦隊って感じだな。
普通空母に護衛これだけで来ないよ。
しかも、なーんか戦闘機出し惜しみしてる》
「ユニオンなんだしケチなんじゃね?」
<コトリ>
《言えてる……そういえば駆逐艦の攻撃は大丈夫か、》
────ズギャァァァン!
近くの無事だった駆逐艦の脇で大爆発が起こる。
あの光は……ブラストアーマー!
<オルトリンデ>
『遅いで、ホノカちゃーん!
駆逐艦もう一人で片付けたわ!!』
「…………やっぱ、リンちゃんってランカーだなぁ……!
速いし強い……」
<オルトリンデ>
『もっと褒めてーな♪
ついでにあんま活躍しとらんしなんか奢ってー♪』
<コトリ>
《このままじゃ地味な活躍で終わるよ。
エレベーター部分が動いてる。ヘリでも出されたら厄介だよ》
おっけー!
エレベーター……見えた!!
空母の脇で下がってるの見える!!
「ぶっ壊したほうがいいかな!?」
<コトリ>
《それがいいよ、早めに》
<オルトリンデ>
『ホノカちゃんアカン!!
もう遅いから離れて!!!』
突然、声を荒げたリンちゃんの言葉に、私はこの時咄嗟に素直に従って回避行動をとった。
───大正解というか、下がったエレベーターの辺りから、ズギャァンっていう爆音と一緒に海面を爆発させるみたいなやばい威力の何かが来た。
「何今の!?!」
<オルトリンデ>
『『主砲』……!!
アカン、ヤツか……!!』
<???>
『なんでおねむの時間に来るのぉ───ッ!?!』
瞬間、広域無線でわざわざ聞こえるぐらいの大声のすごいなんか……幼い感じの言葉。
<???>
『今夜なの!!寝る時間なの!!!
明日来なきゃダメなの────ッ!!!』
えぇ……っていうのが素直な感想。
襲ってきたのはそっちじゃん……
<???>
『このバカ!!作戦は夜だから昼間から寝かせてたんだろうが!!
というかてめぇらもわざわざ夜になる時間に会うように潜水不能な場所に行ってんじゃねぇよ!!』
理不尽な言葉と一緒に、今度はもっと弾速が早い実体弾が来る。
スナイパーライフルだ!!いつも撃ってるから分かる!!
<オルトリンデ>
『なんや、やっぱこのいつもの漫才かいな!
フランとウィル、元気ぃ?
敵側とは残念やな!』
エレベーターの先から、姿を表す2体。
片方、がっしりしたいわゆる重量2脚に、アンテナみたいな頭と、背中から何そのでっかいのって言いたくなる大砲みたいなの見せてる機体!
<フランシィ>
『あー!!オルトリンデー!!やっほー!!元気?飴ちゃんちょうだい!!』
もう片方、まさかの私のペラゴルニスと同じ武蔵頭部!
4脚型で、スナイパーライフルっぽいの2丁持ち!
<ウィル・オ・ウィスプ>
『バカかフラン!!
今は敵だっつーの!!くれるには弾丸だけだ!!
あの微妙に人間サマ見下してる謎生命体サマのオルトリンデだぞ!?』
なんか幼い感じのヤツと、口が悪いの。
この名前……コンピュータが表示した相手って、確か……!
<オルトリンデ>
『
んで?二人かい、寂しい仮装行列や!』
あー、あの……!
全員、高位ランカーの傭兵部隊!!
<???>
『生憎だが、淋しい仮装行列とはいかない』
と、さらに後ろから2機……!
片方は、あの前戦ったランク2のアンネリーゼさんとか乗ってたヤツと同じ上半身の黒い2脚……!
そして…………見たこともないような白い2脚……!!
<オルトリンデ>
『ジェーンにエリザまでおるんか。
こら楽しくなってきたな、
<ジェーン・ドゥ>
『2機か。油断もするような機数では、急拵えの艦隊ではこうもなる。
ハロウィンスコードロン各機、油断はするな。
相手は強い。
───2機とも潰すぞ』
『『『了解』』』
一瞬で、4機が散開。
囲まれるまで速い!!
<コトリ>
《チッ……ムカつくアセンリーダー機の癖に、相当な手練れかよ、余計ムカつく……
ホノカちゃん、ここが正念場だよ。
好き嫌い抜きで、アイツら相手で死なないでよね……!》
「ははーん、私でもわかっちゃったぞ?
コトリちゃんがそんなこと言うってことは……相手めちゃくちゃ強いんだな??」
いや、言わなくてもなんか分かる。
懐かしい感覚……初めて戦場に落とされた時、右も左もマジで分かんなくって運が良かったから生き残れたあの最初の任務と同じ感じ……!
今度は、運は私にあるんだろうか……!??
***
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