140字の恋愛小説

神楽耶 夏輝

お題で140字

第1話 泣きぼくろ

 鏡の前。真剣な面持ちで泣きぼくろを描く君。

 泣きぼくろがある女はモテるらしい。

 僕はその右腕にわざとぶつかる。

「ああ、ごめん」

 次は後ろから、ドンっ。

 ちょっと! と目尻をつり上げる君を、ごめんと言いながら押し倒す。

 泣きぼくろよりこっちの方が好きだよ。

 口元のほくろを親指でなぞりキスをした。

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