五流の品格

もぐら

序章 土竜道化は死んだんだ

弱った者は、死ぬべくして、死ぬ。

それが世の理で在るから、彼は死ぬべくして死んだ。

己の全てを投げ打ち、最後の賭博に勝った。

『豪運』は、ずっと傍に居たのだ。

しかし、自分を見失った。


最期の最期で、己の心が折れた音を聞き、酩酊の手招きを拒まずに、自決した。



故、これは【彼の心が折れなかったら】という

全く別の分岐を辿る物語である。


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