第16話 体感!! NZ怪紀行②
坂が多かったが、とても住みやすい街で、約半年間滞在していた。
そこで時々、ちょっと変わった人を見かけることがあった。
歩きながら、誰に向かってでもなく大声で『Stupid! Damn it!(莫迦野郎! こん畜生!)』と叫ぶ
最初は恐かったが、道で
住んでいたフラット(シェアハウスのようなもの)のオーナーAさんにその話をしたら、『何か
Aさんは五十代後半の日本人女性で、オタゴ大学の
あのStupidおじさん、こんなストレスフリーな国でイライラしているようでは、もし日本の都市部に住んだら、一日も持たずにストレス死するのではなかろうか? 日本に行く予定はないだろうけど。
ある日、Aさんとスーパーへ買い出しに行った帰り道のこと。
米や果物や牛乳等の重量物を二人で手分けして持ち、坂を上ってフラットへ向かっていると、前方にStupidおじさんが歩いていた。今のところ静かだ。
珍しく落ち着いてるなぁと感心していると、背後から『ちょっとごめんよ』と若い男性の声が聞こえた。
重量物を持って坂道を上っている私達は歩くのが遅いので、『すみません』と言って避け、後ろの男性を先に行かせることにした。
―――あれれ?
Aさんと私は首を
空耳ではなかったと思う。Aさんにも聞こえたのだから。
それから間もなくして、前を歩いていたStupidおじさんが何かにつまずいたようだった。
転びそうになったが持ち
「Stupid! Damn it!」
また叫んでいる。でも、何か様子が変だ。まあ、いつも変なのだが、なぜか不自然にバランスを崩しているのである。
HAHAHA、という小さく短い笑い声の後、Stupidおじさんのバランスが戻った。
「Stupid! Damn it!」
Stupidおじさんが前方に向かってまた叫ぶ。
いつも罵声を飛ばしているのは、正体不明の
科学者のAさんも、この不可解な現象にはさすがに驚いていた。
大小含めれば、およそ百メートル置きに教会があるにも
幸い、Aさんも私も謎の
●お米はオーストラリア産を食べておりました。日本米のように程良い粘り気があり美味しかったです(⌒∇⌒)b
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