第138話 『私』はどうしたいのか

〜神様〜


チャラ男、儂らに隠れて楽しそうな事やっておるな。


「おぉ〜、そうくるかぁ。」


あの反応、飲み物は炭酸系、儂らに目を向けない、

間違いない。


「ねぇ、チャラ男何してんの?」


チャラ男の異変にロリ女神も気づいたようじゃ。


「ん?

リースの幻影操作。」


こっちを一切見ない、めちゃめちゃ怪しい。


「ロリ女神、チャラ男はそう言っておるが…

ちょっと待て、」


待てロリ女神、その弓はしまった方がいいぞ?

撃ったら治療できるのロリ女神だけじゃから、自分で傷つけた奴を、自分で苦労しながら治療する事になるぞ。


「なに?」


「その弓、しまうんじゃ。」


「僕は今機嫌が悪いんだよ、チャラ男とか爺さんのつまらない趣味に付き合ってる暇ないの。」


「おいチャラ男!

こっち見ろお前、ロリ女神が御乱心じゃ!」


「わかった、わかったって。」


ん?

こやつ、なんかおかしいぞ。


「ロリ女神、1発撃ってみぃ。」


「了解。」


ロリ女神のやばい装備、刺さったり掠った場所から体が老化していく。儂ら神でさえも老化するんじゃ。

これはやばいからな?神に寿命は無いし、容姿は生まれた時から固定されてる、それなのに老化する。


「は?!

これって…」


やはりな。

ロリ女神の撃った矢はチャラ男を通り抜け、そのまま壁にぶつかった。


立体映像的な、多分そんなやつ。返事は言語に反応して自動かの。


「サボりか…」


「ヒャァ!」


変な声出てしまった。

我ながら気持ち悪い声じゃ。でもロリ女神の光の全くない目を見てしまったら、変な声出るのもしょうがないじゃろ。


「こっちだ。

…ついてこい。」


「了解しやした、姉御!」


怖すぎワロタ。

儂の空間を割いて、一直線で歩きながら装備をアイテムBOXからだして付けていくロリ女神。


「見つけたぞ。」


なんで、チャラ男の場所がわかるんですかねぇ…


「は?!

なんだロリ女神と爺さんかよ。」


もうバレたのか、って言ってる場合か!

儂の横を見てみろ、目がヤバくて弓だけじゃなくて完全装備のロリ女神がいるんだぞ!


「なんでそんな完全s…

すー、爺さんあと頼むわ。」


「わかった。」


チャラ男、お前…


「ちょっくらロリ女神のガス抜きしてくるわ。」


今、すごくカッコいいぞ。


右手を挙げながら、ロリ女神と儂の空間の更に奥へと消えていった。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


なんか聞こえた気がするが、まぁいいか。

チャラ男は何をしていたのか確認するぞー。


「む…」


映っておるのは、リースたんとリーナちゃん、そして世話になってる家の人間か。


なるほど、

どうやって辿り着いたかはわからんが、リースたんが監禁されている場所に辿り着き、今話し合いしているってところか。


「あ、リースちゃん!

もう帰ってこれるね、またオムライス食べたたいな。」


「はぁ?!」


「うるさい、よ?」


いやいやいや、チャラ男はどうしたんじゃ!

時間稼ぎも何もなく倒されたのか?!


「で、どうする?

あそこに1発撃って回収する?」


至急、ロリ女神にカウンセリングを受けさせなくてはならん。

この場合は誰に連絡するのが正解なんじゃろ、軍服でいいか。


ま、とりあえずは、


「それはダメじゃ。」


なんとかロリ女神を止めねば、そうだリースたんの設定集を読ませよう!

それで解決じゃろ。


「ほら、これ読んで落ち着くんじゃ。」


「…ん。」


よし集中して読んでおるな、しばらくはこれで良い。

まさか、リースたんの設定を50ページ考えたのが役に立つとはの…


『チャラ男、私はどうしたいの?』


お?

儂の考えた強化イベントが発生しておる。偶然じゃろうがいい感じ。


『お姉ちゃん、いい加減、戻って。』


怖ぁ…

そうか、あのリーナの設定は2部のラスボスじゃった。


「これ、おかしい。

リーナはなんで怒ってんの?」


「…読み終わるの早いな。

そのリースたんの設定はオリジナル、ifと言っていい。逆にリーナは原作通りじゃ。」


「つまり?」


「ヤバイ方向なのが今いるリーナ、ロリ女神の読んだリースたんの設定の方がマイルドリーナ。

好感度MAXなのは変わらん。」


「なるほど〜。

なんでわざわざ分けたの?」


いやぁ、儂もちゃんとなろうとはしたんじゃがなぁ。

まさかの魂の分離成功に加えて、完成した時の喜びで早く2人でイチャついてる所を見たくなっちゃって、そのまま。


つまりは、


「めんどかった。」


「へー、爺さんの愛はその程度だったのか。」


え?!

なんで儂にそんな濃厚な殺意を…




「…じゃあ僕が貰っても良いよね。」




〜エルフ〜


はい。

どうも、時間が経つごとに状況が悪化していく中でも冷静な私です。


いやね、一瞬ガクッと気持ちが沈んだんだけど、直ぐに戻ったんだよ。

やりたい事を考えたら


琴音さん達と暮らしたい

『私』の気持ちと、


リーナと仲直りしたい

『エルフボディ』の気持ちに直ぐに気づいた。


しかも、どっちも妥協する気がない。

いや、したくない。


だから2つとも叶えるしかないんだ。


「2人、共…」


「「なに?」」


圧がすごい…


でも方法はわからん、さっきからチャラ男に脳内で話しかけてるのに反応無いし。

自分で考えないと。

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