第88話 嘆かわしい…

〜エルフ〜


「リースちゃん、髪の毛サラサラだねぇ〜。」


やばい。

神様の設定関係なく目覚めそうだよ、可愛すぎる。


「女神様もサラサラ、綺麗だよ…」


「ルメッド!」


「ん…?」


「だから私の名前!」


ワオ。

初めて神の名前を教えてくれたのはまさかの女神様、神様が1番最初に教えてくれると思ったんだけどなぁ。


「ルメッド、ちゃん……」


「そうだよ〜、えへへ。」


よし、寝よう!

本当にダメだこれ、ダメにされちゃう。


「ルメッドちゃん…」


「呼びずらいでしょ?ルメで良いよー!」


「ルメちゃん、少し眠ろう…?」


「良いよー!」


ドサッ!


めっちゃ高そうなベット出てきた!前に一回だけ見たフワフワのやつかな?


「お泊まり〜♪お泊まり〜♪」


「やる事ある、ずっとはダメだよ…」


「わかってる〜。」


めっちゃ不満そうですがな、頬っぺた膨らんで可愛いよ。


「おやすみ…」


「うん、おやすみ〜…」


女神様のこの状態いつまで続くんだろ。


「ハァハァハァ、ハァ…」


神様、いやただの変態の呼吸がドアの方から聞こえて怖いんだけど!

現世なら間違いなく110に通報だわ。


「んにゅ…」


「………」


私も琴音さん達から見たらこんな感じだったのかな、凄まじい癒しパワーを放出してる。


(もしもーし。)


神様の声がうるさいな、女神様ギュッてしたい欲に勝って眠気がきそうだったのに…


(今晩、会議があるみたいだからそれ参加するぞ?)


(転移で移動するの?)


(違うな、オンラインで会議するみたいじゃからそこに無理矢理入り込む予定じゃ。)


(どうやって…?)


(儂のパワーで!)


そっか、神様の力か…


(リースたんはまた一回現世に帰るじゃろ?儂がそれまでに準備しておくぞ。)


りょーかーい。


(おやすみ、ゆっくり休むんじゃよ?)


(覗いたら、嫌いになるから…)


あっ気配が消えた。


「寝よ…」



カシャ


ーーーーー


「グッ、ゴボボ」


え、水?!?!


「あー!大丈夫?!」


「ゲホゲホ…」


琴音さん、なんでお風呂入ってるかわからないけど私が寝てる間にお風呂入れるの禁止ね…


「おはよう〜」アハハ…


なんで苦笑い?


「おはよう…お風呂、なんで?」


「私がコーヒー溢しちゃって…その起こそうとはしたんだよ?」


ベタベタになっちゃったからしょうがないか、起きなかったのはごめん。


「………」ジー


「どうしたの?」


私これからどうしようかな、ずっと琴音さん達と過ごす事はできないだろうし、その先となると全く思い浮かばない。


「ずっと、一緒…?」


「ん?ずっと一緒だよ。」


「居ていい?」


「良いよ〜、というかリースちゃんが居なくなっちゃったら私が大変な事になっちゃうと思うよ。」


「そっか…」


少しだけセンチな気分になっちゃってる、なんでだろ。


「好き…」


「私もー。」


カシャ


やっちゃいけないラインを超えたな?

今晩しばく。


「今日夜ご飯なんだろうねー。」


「楽しみ…」



〜国の偉い人〜


「会議、もう始まりますね。」


「守護者が現れたって報告来てる?」


「いいえ。」


はい、終わったー。

結局来なかったー!


「秘書ちゃんどうしよう。」


「胸を張りながら数多のハニトラを乗り越えて手に入れたポーカーフェイスで椅子に座っていれば大丈夫です。」


本当ですか?

他の国の人に責められる未来しか見えないんですけど、守護者は何処だー?!とか魔法の情報開示しろ!とか。


「あ、カンペに変えますね。」


うわ、会議始まるよ…


『集まってますね、始めましょうか。』


『今回で18回目、お互いに自己紹介は不要でしょう。』


『そうですな、今日は聞きたい事が多いですし早めに始めましょう!』


圧を感じる、実際に見られてるわけじゃないけど私に視線が集まってる気がする。


『守護者と連絡は取れたのですか?』


:いいや 以下アドリブ


アドリブってなんだよ、カンペの意味ないだろ!

まぁ逆らわないけどさ…


「いいや、私自身ですら守護者と話した事はないよ。」


『そんな見え見えの嘘を…どう思います?』


『いやぁ残念ですな、同盟を組んでいるはずなのに…』


:不敵に笑ってください 


笑うの?!怖いんだけど!

だが君の指示だやってやるよ。


「クックック」


『何がおかしいのだね?』


:何やってるんですか?!指示通りにお願いします!


え、私は指示通りにやったよな?だって不敵に笑ってくださいってカンペに書いてあったし。


『我々も暇じゃない、何故笑ったのかをはやkーーー』


『嘆かわしい…』


『『『!』』』


この少女のような声は…まさか!


『初めまして、人類の代表、私が守護者…』


どうやってこの通信に入ってきたんだ?!

秘書も驚いてるけどカンペに何か書いている流石は日本を支え続けている秘書だ。


『な、嘆かわしい…とは…』


『わからない…?』


『ふむ、君が仮に守護者だとしてもこの通信に入るのは罪になるが?』


『はぁ……』


お、カンペに書き終わったのか。


:とりあえず黙ってろ


君なんか当たり強くないかい?広い括りで見たら私は一応君の上司になるんだよ?

守護者が一方的に言われてるな、権力者達は引き込みたいのか敵対したいのかわからない。


『じゃあ滅ぶ…?』


『なっ……』


『守護者の意味教える、人を守ってる訳じゃない…』


なるほど、守護者が人と強い関わりを持とうとしない理由がわかった。


『この世界を守ってる…人じゃない。』



『危機に団結しないモノを助けることは無い』





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