ハイスペックエルフボディで地球を守ります!え?私が戦わなくても問題ない?!

ノツノノ

さっそく戦い?いいえ身体に慣れましょう

第1話 戦わなくても問題な、ゲフンゲフン

とある警備会社のオフィス。

そこでは多くの社員達が大量の問い合わせの電話と大量の書類に対応する為に殆ど眠らず仕事をしていたが、その代償は大きく


「戦友よ今日で1週間だ…

我々の睡眠を犠牲にして書類仕事をし続けているのに終わらせた書類は3倍に増えて帰ってくる、笑えるな。」

「いや笑えねぇよ。」

「いや面白すぎるだろ!

笑えよ、めちゃくちゃ面白いじゃんハハハハハハ」バタッ

「あぁ、こいつも限界だこいつ仮眠室に連れてくぞー。」


余りの忙しさと休憩の無さに倒れるものが続出していた。


(あぁ、ついにあいつも限界か…)


『速報です。

アメリカとフランスで初めて空を飛ぶ怪物が確認されたとのことです。

6日前突如として我々の生活に欠かせない魔石を採取出来る異界門から正体不明の怪物が数多く出現し我々を襲い続けています。

日本政府は門の存在している地域に自衛隊を派遣、周辺を封鎖、被害を最小限に抑えることに成功していますが、空を飛ぶ怪物が確認された事もあり......』


(全てあの門から出てきた怪物の所為だな…

はやく仕事終わらせて家族のと)


それは一瞬の出来事だった。

5階建てのビルは半分しか残っておらずそこには黄金の門と針が一本だけの大きな時計がビルの半分と入れ替わるように存在していた。

 

〜???〜


ここは見渡す限り白い部屋

家具は椅子が2つと机があるのみ一つの椅子には髭を長く伸ばした老人が、もう片方の椅子には半透明の人間の形をした何かが机に伏せている。


(あれ?やばい寝落ちだ!

まだまだ仕事が残っているのに!)


「おはよう!

やっと目が覚めたかぁ、全然目を覚さなくて儂も焦っていたのだぞ、しかし今は時間がない早速話を進めたいのだが。」


(やべぇ早く仕事を終わらせないと!)

「ちょっ落ち着け、お主はもう魂だけの存在だから仕事はしなくていいんじゃ!

少し話を聞いておくれ。」


(そういえば誰だこの爺さんは!それに何処だこの真っ白い部屋は!てか声が出ねぇ!)


「やっと気づいてくれたか。今は本当に時間がないから話を始めるがよいな?

まず儂はお主の住んでいた地球を管理していた人々が神と呼ぶ存在じゃ、急にこんな場所にいて混乱してるかもしれんが最後に質問に答えるからとりあえず聞いてもらうぞ。」


目の前の老人が語ったのは到底信じることはできない様なことだった。

世界中に出現している怪物は異世界からの侵略で、本隊は別におり現在の地球の戦力では撃退するのは難しいのだとか、

男に話してるのは男にはとある才能があり、異世界の侵略から世界を守るために協力してほしいからとのことだった。


「ここまでで質問はあるかの?

声が出なくてもお主の考えてることはわかるから安心せい。」


男は混乱を極めていた。

気づいたらこの白い部屋におり、目の前に座っている自称神と名乗る存在からいきなり世界を守る為に協力してほしいと言われたのだ誰だって混乱するだろう。


(教えてほしい俺の家族は無事ですか?

俺は死んでしまったんでしょう?)


「その通りお主は新しい門の出現した場所に居たから死んでしまったのぅ。

それと家族とはお主の父親と母親のことよな?なら安心せい家で共に過ごしておるよ。」


(怪物が出現してから連絡取れなかったから心配だったんだ無事なのか…

よかった…)


「感傷に浸っている時に悪いが少し詳しく説明するぞ、お主には儂の用意した別の身体を得て生き返ってもらいその身体で侵略者から地球を守るために行動してもらいたい。」


守るとは侵略者と戦うということであり日本で平和に暮らして来た男は不安を感じたようだ、生き返った後すぐにまた死んでしまうんじゃないかと。


(俺は戦えるかわからない、日本で暮らして来て銃は勿論木刀や竹刀すら持った事がないんだ、

それでも大丈夫なのか?)


「なにも問題はないぞ、その身体にありとあらゆる戦闘技術に儂の持っている他の世界の魔法の知識を入れているからの。

だがそれはあくまで知っているだけ、上手く使いこなすまでには時間がかかるじゃろうな。」


男は迷う、目の前の神は問題ないというが本当にそうか?

男は1人で大人数と戦うことになる、いくら個人が強くても数には負けるだろう。


そんな不安を感じ取ったのか神が言った。


「安心せい、

儂が作り出した身体かなりのハイスペックで適当に魂を入れてしまうと魂が持たず消滅してしまうんじゃがお主は違う、

身体の性能をしっかり引き出せる上に魂が強くて丈夫なんじゃ!こんな事は滅多にない!

それに異世界から侵略されている以上、この世界にも少しずつ魔法を使えるようにしていくから1人ではないぞ。」


(わかり、ました。

まだ少し不安ですがやります。)


男は覚悟を決めたようだ。

自分がやらないと被害が増えるかもしれない、大切な家族が巻き込まれるかもしれない、不安は残るがやるしかないと

だが


「やってくれるんだね!よっしゃセンキュー!マニュアル通りにやってみたけどこの重い空気耐えられないよねー!あの重い喋り方もやめるわ。」


急に軽い話し方になった神に驚き頭が真っ白になる男。

そんなこと気にせず喋り続ける神


「いやね世界のルールが今年から変わってさ神は基本侵略戦は戦っちゃダメってことになったのよ、

今までは攻められる前に儂が乗り込んで潰してたんよ、まだまだ歴史が浅いのには負けんわ!笑」


さっきまでの神と目の前で陽気に喋り続ける神は同一人物なのだろうか?


「君は心配してるみたいだけど儂が作った身体は下級の神と同等レベルのスペック!

それに攻めてくる異世界も儂の管理している世界から見ればまだまだ、正直なんで喧嘩売って来たかわからないレベル、ほら君の国の言葉でなんと言ったか確かウサギと亀だったか?」


ウサギと亀だと最終的に貴方負けるんですけど多分月とすっぽんじゃないかな。

さっきの覚悟を返してほしい、男はそう思った。


「あ、悪ぃな長話には飽きただろう君の身体どんなやつか気になるだろう?

見せてあげよう。」


神は斜め後ろから身体を取り出した。

その身体は長い銀髪に綺麗な水色の瞳、外を出歩けば誰もが目を奪われることになるであろうそれは


「どうだ!儂の最高傑作である銀髪エルフ娘じゃー!」


可愛い美少女エルフであった。


「フッフッフ驚いて声も出ないようだな。

儂がこだわり抜いて作り出したエルフ娘だからな固まってしまうのも無理はない、本当はもう少し幼い方がよかったんだけどあまり幼くしてしまうと戦いにくいからね、これぐらいの身長で妥協したんだ……」


(あ、あの神様その俺男なんですができれば男の人の体がいいな、と)


男の意見に神は信じられないものを見る眼をしながらこう言った。


「嫌だよ、男なんて作ってなにが楽しいの?

お主もよく見てみろこの可憐なエルフ娘を!胸はあまり大きすぎずしかしちゃんと存在が確認できる大きさ!思わず抱きしめたくなるぐらいの小動物感!

それを更に際立せるために設定した臆病な性格&コミュ障気味コンボ!寂しがり屋で人肌に触れていると安心して直ぐに眠ってしまうのだ!どうだね、素晴らしいだろう?」

 

男は再び固まった、まじめだった神は何処へ行ってしまったのだろうと…


(もしかしてなんですけど俺を呼んだのってその身体を動かしたかっただけ、じゃないですよね?)


「……そんなわけなかろう。

実は数人に儂の加護を与えれば解決するとかじゃないから、この子が動いてるところ見たいとかじゃないから。」


かつてここまで嘘が下手な神が居たであろうか。

そして男は悟った、もう自分の運命がエルフ娘になる事は決まっており今更変える事はできないということを、


「よし何も言わぬという事はもう質問はないな!さっそく作業を始めるぞ!

そうだ地球に送った後そのまま送られた場所で無理矢理眠らせるが安心せい、目が覚めた時は家の中だ。」


神は鼻歌を歌い出しそうなほど上機嫌に作業を進めていく。


「あ、忘れるところだった。

さっき話した設定だけどこの身体では実際にそうなるからな?

臆病な性格になるし口調も勝手に変わるから、そこは絶対に妥協せんよ、儂は。」


(え、臆病って戦う時大丈夫なんですか?)


男の主張は正しいが


「ん?正直君が戦う必要はな ゲフンゲフン

君次第だけど命の危険に関わると自動で身体が動く様にしてあるから問題ないな!

それに臆病な子が勇気を出して戦うところ見たくない?」


(え、戦う必要ないの?しかも勝手に動く?

それもう俺の魂あってもなくても変わらない気が…)


「なに言うとる魂がなかったら身体は動かんだろう。

神の世界にも色々あってな魂を作ったりするのは基本禁止されとって、このボディが動かせるレベルの魂など君以外見た事ない。

君は男だったみたいだけど魂は肉体に引っ張られるからそのうち女の子の自覚が出てくる、なにも問題ない。」


そんな話をしているうちに準備が終わったようだ。


「よし魂を入れ終わった身体に完全に馴染むまで時間かかるが、基本的には問題ないからこれから地上に送るぞ。

しばらくの間は耳に変化魔法をかけて人間に見えるようになっとるからのでは頑張ってくれ。」


エルフ娘の足元に魔法陣が展開され光を増す。


「あ、そうじゃ最後に1つ話があるのじゃ。」


そう言った神は真面目な顔で


「その身体には同性に好かれやすくなる効果ついてるからの儂好みの光景を見せておくれ、

それと儂の最高傑作の身体で男にデレデレするんじゃないぞ?

魂だけ消し飛ばすからの、わかったか?」


最後は激励の言葉ぐらいかけて欲しかった…




ここは少し大きめの公園のベンチ。

街灯が少なくかなり暗いがベンチの近くには街灯があるおかげで真っ暗ではない、

それでも怖いのか臆病エルフボディに引っ張られて少し震えている。


「ぴっ!」


可愛らしい声が出た。

エルフボディがハイスペックのせいで誰かがこちらに近づいて来てる足音が聞こえ、それに驚いてしまっている。


(こわいこわいこわい、これも臆病な性格のせいなの……)


半泣きである。

どんどん足音が近づいて来ていて声を出して泣き出しそうになった時。


(あ、ねむ……) スヤァ(( _ _ ))..zzzZZ






「え、子供?!?!」



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