四半生記

宮城アキラ

はじめに

 他人の脳の中を覗くのが好きだ。


 これは、私の人生の根底にある考えである。


 他人の脳の中を覗くという行為は具体的には「本を読む」、「映画を見る」、「誰かの話を聞く」。そういった類の積み重ね。


 おもしろいと思う時もあれば、そうでないハズレの時もある。


 そんな私が、自分の考えを、脳内を、他人にも覗いて貰ったらどうだろうか、と思い至り、自分の脳の中を、さらけ出して書くことにした。


 あなたにとって、私の脳内が当たりか、ハズレかは、私には関係がない。


 とは言いつつ、もちろん当たりであって欲しいからこそ、文章として残すのだ。作者は、誰もがきっと、そうである。



 この本はタイトルにある通り、私の人生の0歳から25歳(+α)までの、記憶と感情を書き殴ろうと思う。


 もちろん、幼少期になるほど、記憶は少なく薄れている。


 それでも残っているいるものを、全て文字にしておきたい。



 この物語の中の登場人物等の固有名詞はら全てフィクションであるが、内容については誇張もせず、ありのままを書くつもりだ。


 簡単な出生を初めに書いておく。私は大阪で生まれ育った。


 今でも、他人が関西出身と言っていても、生まれが違うと「エセ関西人」と呼ぶほど、関西、とりわけ大阪には愛着がある。


 裕福ではないと言うと怒られるが、何でも買って貰えるほどの財力はない、家庭に産まれた。


 家族は両親と4つ違いの兄と私の4人。父方の祖父母と一緒に暮らしていたが、関係性はあまり良くない。


 私は家族が大好きで、特に歯科医である父への尊敬の念は、今も薄れることなく残っている。


 この本は、その父が亡くなった時に書くことを決意したものである。

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