剣と魔法とモフモフと〜現実世界で大切な人と穏やかに暮らすため、剣を振るう〜

梟 森

第1話 復讐心と狙われた子供

俺は虹の中にいる……。なんて言っても伝わらないだろう。もう少し詳しく言うと、俺は今、虹の7色のアーチの上の部分の中にいる。なぜかはわからない。けど言えるのは、俺が水沢虹輝という名前で、家が剣術道場。


幼なじみの月夜と話をした後気づいたらここにいたということだけ。………何なんだこの状況は?




『やあ、だいぶ混乱しているようだねぇ。名前と幼なじみしか思い出せないなんて。まあ、あいつにはちょうどいい罰か。私の妻を奪っておいて、子供まで。』




なんか変な声がした。まるで、背中をなめくじとゴキブリが合体したものが舐め尽くしているような。そんな感じにぞぞぞとしたぞ。今。




『ふ、ふ、ふ、やはり低俗な遺伝子からの子供では彼女が半分入っていても子供は低俗か。まあいい、すぐに送って手を出せないようにするのだから。せいぜいのたれ死んでくれよ…虹輝君。』




やばい!何か知らないがやばい!いますぐ、天水流で……。何だ天水流って?そもそも何で俺は声が出せない。何で奴には心の声が聞こえてる。彼女が半分?入ってる?どういうことだ?




『っち、もう冷静になってきたか、早くこのゴミに入れるスキルを。何で必ず10入れなきゃいけないんだ。しかも中級以上。』




なんだ…。スキル……。頭が痛い………。ボーッとする。早くこいつを。




『お、これでいいか。それなりに強力なスキルだが全部中級で、使えるようになるのも難しい。これなら、ゴブリン程度に殺されるか。』




ゴ…ブリン…?殺される…。アァ、…痛い。 




『よし、これでOK。じゃあさよなら虹輝君。もう会うこともないと思うけど。』




なんだ、だんだんと、…虹から滑り…落ちているのか…。どうなって…るんだ。

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