同棲彼女はかまってちゃん。甘々彼女と紡ぐ、何気ないイチャラブな日常

さばりん

第1話 お風呂上がりの彼女

「ふぅ、すっきりしたぁー」


 俺がソファに寝転がりながらスマホをポチポチいじっていると、彼女である成実なるみがバスタオルで髪の毛を乾かしながら、リビングへとやってくる。


「まーたスマホゲームやってるー」


 そう言って、呆れたような目で見つめて来る成実。


「少しは私をいたわれー」


 刹那、成実がそのまま俺に覆いかぶさるようにして、ソファへ寝そべってくる。

 俺は慌ててスマホを机に置いて、倒れ込んできた彼女を抱きとめた。


「ナイスキャッチー」


 そう気楽なことを言いながら、ぐでーんと俺に身体を預けてくる成実。

 まだ髪を乾かしていない成実の濡れた髪の毛から、シャンプーの香りが漂う。


 スンスン、スンスン。


「ねぇ……ただいまのキス。まだしてなかったよね? ただいまのキスしよ?」


 そう言って、成実はすっと目を閉じて顔を近づけてきたので、俺もそれに倣って唇を重ね合わせた。


 チュッ、チュッと、ついばむようなキスをすると、部屋にお互いのリップ音が鳴り響く。

 成実は友達と飲みに行ってきたこともあってか、少々アルコールの風味が残っているような気がした。


「ぷはぁっ……えへへっ、大好きー」


 そんなのお構いなしといった様子で、成実は俺の胸元へ顔を埋めて頬ずりをしてくる。


「はぁーっ……。やっぱ君の胸元は落ち着くなぁー。ずっとこうしてたいって思っちゃう」


 スリスリ、スリスリと、頬ずりをするたびに、俺のシャツの擦れる音が聞こえてくる。


「ふぁーっ……。んにゃんにゃ、欠伸出ちゃった」


 すると今度は、成実は眠そうに目元を擦った。


「明日も早いし、寝る支度整えよう」


 俺がそう提案すると、成実が不服そうな顔を浮かべた。


「えぇーヤダ。もっと君とこうしてイチャイチャしたいー」

「じゃあ、寝る支度整えたら、ベッドで沢山イチャイチャしてあげるから」

「ほんと、本当に私が寝る支度整えたら、一緒にイチャイチャしてくれる?」

「うん。いくらでもしてあげるよ」


 俺が言いきると、成実は渋々といった様子で息を吐く。


「分かった。君がそう言うなら、寝る支度整えてくるね。君は先にベットで待ってて、速攻で支度してくるから。あっ、その代わり、私が行くまでに、先に寝ちゃダメだからね?」

「分かってるってば」

「本当に約束だからね?」

「うん、約束だよ」

「それじゃあ、約束のキスね」

「はいはい」


 今度は俺の方から、成実へチュっと約束のキスをしてあげる。


「んっ。それじゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」


 そう言って成実は、ソファから起き上がると、急ぎ足で脱衣所へと戻っていき、寝る支度を整えるのであった。

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