職業王妃ですので王の溺愛はご遠慮願います
夢見るライオン/ビーズログ文庫
1章
愛のない結婚式
――今日、マルティナ・ベネットはギリスア国王の愛のない
ギリスア国中に
真っ白な大理石の柱がアーチ状の屋根を支え、柱頭のニッチには聖人達の
貴族達はそれぞれに
そしてクラウス王もまた、白地に金の
しかし、その
真っ黒なドレスに、真っ黒なヴェールが長く長くバージンロードを染めている。
ヴェールに
まるで若くして夫を
その表情に晴れやかな
二人の前に立つ神父は
「
しかしマルティナは一呼吸置いて「誓います」と黒いヴェールの奥から
神父は
「……」
しかし王は無表情に
マルティナは隣に立つクラウスをそっと見上げた。
国中の女性が
だがその
長引く沈黙に貴族達がざわざわと
神父は
「こほん。では誓いの指輪を」
この特別な結婚式では、誓いの言葉の後に指輪の
王だけが一方的に王妃に指輪を
愛を交わさない王妃は、王への忠誠の
グレーのドレスの少女達が列を作って進み出ると、王の横に
その先頭の一人が指輪の入った黒いビロード張りのケースを
そこには世界中の闇を閉じ込めたような黒ダイアモンドが
だがクラウス王はちらりと指輪を見たものの動かない。
やがて高く
しかしその手は
「……っ!」
その
参列の貴族達から
もちろん誓いのキスはない。
王は
本来ならば
だがマルティナはヴェールの奥の顔をしっかり上げて、
こうして、結婚式は
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