第45話

「え?え?」


ロータスが唖然とする中、他の兵士に連れられて外へと連れ出された。


「この剣はブルード様の支給品なので返して貰う」


剣など取り上げられると、ようやく自分への対応に気がついたのか声を荒らげた。


「何故だ!なんで私がクビになるんだ!伯爵様、なにかの間違いではないですか!」


伯爵様はロータスの言葉に何も答えずに無視していた。


「さてと、あんまりここを独占していたら怒られそうだ。えっと…マキさんと言ったね。コーヒーについてツテがあるから今度屋敷に来なさい。業者を紹介しよう」


「え、あっ、ありがとうございます…」


なんかいいのかなとちらっとロータスを見ると顔を真っ赤にして睨みつけていた。


「伯爵様に媚び売って気に入られたのか!これだから女は卑しいんだ!その貧相な体でも差し出したのか!」


「なんですって!」


確かに貧相だけどそんな事するもんか!


あまりの言葉にロータスを殴りそうになるとサッと私の前に現れた人がロータスの腕をねじって地面に押し倒した。


「その言葉、撤回しろ」


「グッ!」


現れたのはライリーさんで何故かすごく怒っていた。


「ライリーさん?」


「すまないマキさん怖かっただろ」


「いや、怖くないけど腹立たしくて」


一発殴りたいと拳を握りしめた。


「あはは、マキさんは強いな。だからマキさんなら大丈夫だって言ったんだよ」


「ジムさん!?」


さらに領主のジムさんまで現れた。


「来るの遅くないですか!?」


この状況を知っていたのか、なんか余裕そうなジムさんを軽く睨んだ。


「すまなかった、でもどうだいブルード?」


ジムさんは伯爵様に親しげに声をかけた。


「君が薦めるだけの事はあったよ、あの話受けることにする」


「よかった」


なになになに?


なんか二人だけで話が進み置いてけぼりにあっている気がする。


「ライリーさん!どういう事!?」


八つ当たりする相手がいないのでそばにいたライリーさんの服を掴んだ。


「それはこれからお話するよ、とりあえずその男はどうする?」


「ここ数日泳がせて大体は把握出来た、一度牢に入れて余罪を追求する」


「余罪!?」


なんか罪を犯して至って事?


ロータスをみると真っ青な顔で冷や汗をかいていた。


「私が何も知らないと思ったのかな?」


ブルード伯爵がロータスに耳打ちすると兵士に指示を出してどこかに連れて行ってしまった。


「さてと、じゃあ少しお話をしようかな?ブルードも少し付き合ってくれ」


ジムさんに言われてブルード伯爵が仕方なさそうに頷く。


「マキさんすまないね、少し家を貸して貰えるかな」


ジムさんにそう言われたら断れずにまた銭湯にみんなを連れていった。


銭湯の脱衣場で椅子に座り、領主のジムさんやブルード伯爵に椅子を用意すると私も座るように促された。


場違いな場所になんだか緊張するのも馬鹿らしく頷き座ると腕を組んだ。


「それで?どういう事なんですか?」


「えっとまずは私から説明しようかな?」


ジムさんが私とブルード伯爵を交互に見て微笑んだ。

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