第9話 月光の美龍
銀髪少女「みなさん目が怖いですよ…いくらドラゴンとはいえ女の子をいじめるのはよくないですよ…?」
スプラウト「よくもやってくれたな…元凶…お前のせいで俺は背中が痛いぞ…」
銀髪少女「元凶なんて失礼な!私は恵み人のために最善を尽くしているだけですとも。」
スプラウト「最善?笑わせるな。それでどれだけの犠牲者が出たと思っている。」
銀髪少女「ふぇ?人間が死ぬことなんてそこらのクズが死ぬのとそう変わらないでしょう?あっ…人間なんてみんなクズでしたね。」
スプラウト「なにを言っているのか。お前は善人も否定するのか。」
銀髪少女「善人?そちらこそ何を言っているのですか?人間なんて欲深モンスター。行動に裏があるのが人間です。」
スプラウト「そういうお前は?あの青年に認めてもらいたくてやってるんだろ?または恵み人に。」
銀髪少女「そうですね。私は恵み人ほどできた生物ではありません。私は龍です。所詮魔物。でも魔物にもできることがあるって…あの人にも恵み人にも認めてもらうんです。」
レティシア「さぁ…こんなに話しても意味がないですね。さっさと始めましょう。このレティシア・ルナライトドラゴンが相手です。」
ルナライトドラゴン…たしか昔月光龍って言われてた龍かな?かなり上位の龍で知能がトップレベルだったんだっけな…
スプラウト「《魔力斬》」
レティシア「そんな粗末な魔法で…っ!」
スプラウトくんの剣とレティシアの拳が轟音をあげた。
競り合いに負けたのは…スプラウトくんの方だった。
レティシア「もう刃こぼれしてますね。どんな金属で作ったんです?ロクな金属じゃないでしょう?」
スプラウト「これは…オリハルコンとヒヒイロカネの合金だ…この世界では強い方の組み合わせだ…」
レティシア「へぇ…オリハルコンはともかくヒヒイロカネを合金とするのは不可能だったんじゃないんですか?いやはや人間の技術は不思議なものばかりですねぇ…」
レティシア「是非ともその硬い剣を折ってみたいものです。」
真心「この剣はどうだ?折れるか?」
レティシア「のぞむところですよ…!《魔力集中》!」
さっきより強い拳…でも真心くんの剣は壊れない。それどころかレティシアの拳を弾き返した。
レティシア「な…」
スピカ「《空間音響》」
レジネス「《氷柱豪雨》」
追撃と言わんばかりの攻撃。ただ…
レティシア「効きませんねぇ…最初はびっくりしたんですけどねぇ…?タネ明かしできますか?」
真心「心恵の緋色石だ。」
レティシア「…! 《龍化》!」
レティシア「《金剛石龍尾》!」
こころ「跳んで!これは受けられない!」
やむを得ないけど…ここはジャンプするしかない…
レティシア「《竜の息吹》!」
こころ「…っ!」
連続で…しかも竜の息吹…!? 竜の息吹はドラゴンが使う技で五本指に入るくらいの強さ…!
こころ「《守護惑星》!」
レジネス「( ^ω^)おっ負担が減ったな。
《竜の息吹対策結界》」
こころ&レティシア「何それっ!?」
レジネス「ふっ、やはりヤマカンが当たったか…」
真心「テストじゃねえよ、だがよく当てたな…対策魔法をピンポイントで組むとは…」
レティシア「なら…!《魔素の嵐》!」
レジネス「《魔素安定化》」
また対策魔法…ドラゴンと戦いなれてるのかな…?
レティシア「そんなので…魔素の嵐を止められるとでも…っ!」
こころ「まだ止まってないっ!」
真心「その術式、ちょっと借りるぞ。《魔素安定化》」
レジネス「パクんなよ、じゃ、私は攻撃に転じさせてもらいますかねぇ…?」
レジネス「《魔氷の剣》」
レジネス「さて、ドラゴンを斬った感覚はまだ知らないなぁ…?」
レティシア「う…《破滅の魔線砲》!」
レジネス「当たってないねぇ…こっちだぞ?」
レティシア「《魔素変化・魔炎》!」
レジネス「《魔力収束・凍結》」
す…すごい…ルナライトドラゴン相手にこんな…
追撃準備をしておこう…よし、弾幕を収束して装填数を上げ…
スプラウト「こっちだ。レジネスが気を引いている間に連携の準備だ。」
こころ「あ、うん。」
レティシア「《大崩壊陣》!」
スプラウト「かかったぞ!」
真心、狼子「《魔力反射結界》!」
真心くんと狼子ちゃんの魔力を反射し身を守る結界をレティシアにはった。
内側の魔力も反射できるように私が《反射鏡》の弾幕を付与しておいた。これで大崩壊陣の爆発的な魔力がレティシアに跳ね返って大ダメージを与えることができる。
予想通り、大量の魔力が跳ね返りレティシアのすぐそばで大爆発を起こした。後は待機しているスプラウトくんとスピカくんが追撃をいれてくれる。
スプラウト「《超加速》《魔力脆弱》《部分破壊》!」
???「《心の眼》」
その瞬間、スプラウトくんとスピカくんの追撃を、何者かが一人で全て捌いた。
青年「レティシアだけだと思っていたか。愚か者めが。」
青年「せいぜいあがくことだな。人間ども。」
濃い煙幕を出して、その青年はレティシアを抱え逃げていった。…そう、取り逃がしてしまった。
私達があっけにとられて直立していると、向こうから慌てた様子のメイナードくんが走ってきた。
メイナード「みなさん!そちらは無事ですか!?」
あの派手な魔法と弾幕のぶつかり合いに慌ててきたらしい。でも私達はだれも死んでない。
スピカ「…被害はゼロだ。ただ取り逃がした。」
メイナード「この煙幕…あいつがいたんですね…」
スピカ「あいつ…?」
メイナード「ここで話すのもあれですし、ギルドで教えます。 私と狼子さんが対峙した、あの化け物について。」
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