2-1 「大鬼さまに相談しないと!」

「大鬼さまに相談しないと! 早く大鬼さまのところに行かないと!」


 俺がそう言った瞬間、後ろから大きな影が現れた!


「行く必要はないオニ!!」



ドドン!!



 大鬼さまが大きなお腹揺らしてやってきた。


「お、大鬼さま!」

「脱出ルートを確認しにきたのオニが……、これじゃ海上は使えないオニな」

「す、すいません……」

「どうして謝るオニか?」

「お、俺門番なのに……、真っ先に逃げるルートを考えてしまって……」

「……謝らなければいけないのは私オニ」

「?」


 大鬼さまがどこか不可解なことを言っていた。


「君たちは私のことを頼ってくれたから教えるオニ……。この鬼ヶ島には地下通路があるオニ。君たちはその地下から逃げるオニ。桃太郎は私が食い止めるオニ」

「そ、それじゃ大鬼さまが!」

「これは私の罪滅ぼしでもあるオニ! そして鬼子ちゃんを必ず守ることを誓うオニ!」

「分かりました!」


 大鬼さまが満面の笑みを俺たちに浮かべた。

 鬼子ちゃんがその様子を複雑そうに見つめていたのが気になった。

 



※※※




――二日後



「地下に入ったら、とりあえず真っ直ぐに行くオニ。そうしたら本島の洞窟にでることができるオニ」

「分かりました!」

「距離があるので荷物は身軽にしたほうがいいオニ。食料はなるべく持って行ったほうがいいオニな」


 大鬼さまと大広間で脱出計画を練っていた。

 おおまかな計画はこうだ。


 地下に入り、真っ直ぐ直進!

 向こう岸の洞窟に出るらしいので、そこからひたすら北上すると別の鬼の里があるらしい。

 数日間の道のりになるだろうから、食料はなるべく持っていくこととのことだ。


「鬼子ちゃん……つらい道のりになると思うけど……」

「大丈夫! あなたがいるから頑張れるわ!」

「お、鬼子ちゃん……!」



 そんな計画を練っていたら次の瞬間!



ドォオオオオオオン!!



 外から何か爆発するような大きな音がした!!


「何事オニか!?」

「大鬼さまーー!!」


 見張りをしていた青鬼くんが息を切らせながらやってきた!


「た、大変です! 桃太郎! 桃太郎の奇襲です!」

「なんだとぉおおお!?」


 桃太郎の文書では二日後の予定だった……。

 それが一日早めて襲いかかってきたのだ……。


「全員、退避ーー!! 地下に! 地下に逃げるオニ!」


 大鬼さまの緊急避難警報が発令した!




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