第12話彼氏彼女って何するの?下

彼氏になったのだから、岩崎さんをデートに誘う為、メッセージを送る事にした。


『岩崎さん、こんばんは。今、時間良いかな?』

即既読が付いた。

しかし、中々返信が返って来ない。

既読が付いたと言う事は、メッセージ読んでいるはずだか、ちょっとタイミング悪かったか?

なんて思っていると、返信が来た。


『川上さん、こんばんは。今日は、ありがとうございました。』

『いやいや、こちらこそすっかりご馳走になって、すまなかったね。ご両親にも宜しく伝えてよ。』

『はい。両親には、川上さんがお礼を言っていたと伝えます。』

『ところで、話は変わるのだけど、今度の土曜か、日曜はあいてるかな?』


…?返信来ない…、都合悪かったのか?

5分程して、やっと返事が来た。


『どちらも空いてます!もしかして…?』

『良かったら、水族館にデートに行かないか?』


また暫く返事が来ない。

水族館じゃなく、テーマパークの方が良かったか?

すると岩崎さんから返信が来た。


『判りました。では、土曜日にお願い出来ますか?翌日もお休みですし。』

ん?ああ、翌日は身体の疲れを取りたいのかな?


『了解、なら土曜日10時に、駅で待ち合わせで良いかな?』

『宜しければ、川上さんのご自宅迄、お迎えに参りますが…。』

『いや、土日は混むから、電車で移動しようと思っているんだが、車の方が良い?』

『い、いえ!大丈夫です!』

『じゃ、土曜日10時に駅前のモニュメントの所で。』

『はい!楽しみにしています!!』


とりあえず、こんな所だろう。

あ、食事どうするか。

相手は四菱のお嬢様だ、それなりのレストランに行った方が良いよなぁ。

金下ろしておかないと。


当時は、遅刻しない様に、20分前に待ち合わせ場所に行くと、岩崎さんは既におり、大庭さんと、黒服のボディガードが、男を取り押さえている。


「岩崎さん、は、早いね…。待たせちゃったかな?」

「い、いえ。昨夜から楽しみすぎて、待ちきれずに早めに来たので…。今来た所です。」


絶対嘘だ…。

「で、この取り押さえられてる人は、どうしたの?」


すると大庭さんが、「お嬢様をナンパしようとしまして。当時は、私から穏便にお引き取り願ったのですが、強引にお嬢様を連れて行こうとしましたので、取り押さえました。」


ようは、ナンパされるぐらい前からいたのね…。

そこで初めて、彼女の服装に気がついた。

白のワンピースは、彼女の清楚な感じを更に引き立て、更にワンピースと同じ色の帽子は、彼女の長い黒髪にもマッチしている。

ヤバい…。この子、ちょーカワイイんだけど!!

すると、岩崎さんは、頬を染めながら、「あ、あの…、どうですか…?」と聞いてくる。


俺は、顔に熱を帯びるのを感じつつ、「う、うん。よく似合っているよ。お忍びで街に出て来た、お姫様みたいだ。」

自分でも何を言っているのか、良く分からない。

女の子の服装褒めるなんて、殆どした事無い。


しかし、岩崎さんには、喜んでもらえたらしく、はにかみながら、小さな声で「あ、ありがとうございます」と言ってくれた。


すると大庭さんより、「では、我々はこの男を警察に突き出しますので、お二人は、そろそろお出かけになられては?」と言われ、早速出かける事にした。


「私、電車に乗るの初めてなんです!ワクワクします!」

「え!?まぁ、お嬢様だしね。じゃあ、PA○MOももってない?」

「いえ、今朝大庭から渡されましたので、大丈夫です♪」

「じゃ、行こうか。」

岩崎さんは、自動改札も難なく通り、俺とホーム迄来た。

ここから、水族館のある駅迄、約1時間程度の移動になる。

現地についたら、水族館に入る前に、軽く食事しても良いだろう。

電車は、ピークの時間を過ぎているからか、比較的空いていて、2人とも座る事が出来た。


移動中に、俺は彼女の学校の事などを聞いたり、岩崎さんからも、俺の普段の生活の事を聞かれたり、楽しくお喋りした。

お互いに硬さも抜け、初デートにしては、いい雰囲気になったと思う。

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