第10話幕間:うちのムスメ、メシマズなんだけど!?

(今回は、3人なので、セリフの前に名前をつけます。例:美鈴=美、鈴奈=鈴、大庭=愛)


鈴「やった〜!!これで川上さんと、正式にお付き合いできる!」


愛「おめでとうございます、鈴奈様。これで一歩前進ですね。しかし、ここで油断すると、川上様が、鈴奈様の元を去ってしまう事になりかねません。」


鈴「そ、そうね!でも、具体的にどうすれば良いのかしら?」


愛「幸い、鈴奈様の容姿は、川上様の好みの様です。ここは鈴奈様の可愛さを前面に出しましょう!」


美「フッ、甘いわね。」


鈴「お母様!」

愛「これは奥様。」


美「話は聞かせてもらったわ。裕二さんと正式に付き合う事になったけど、確かに大庭の言う通り、今のままじゃダメね。」


鈴「では、お母様。具体的には、どうしたらいいのかしら?」


美「男なんて、単純だから、胃袋と○玉を掴めば良いのよ。」


愛「胃袋は判りますが、金○とは極端過ぎる様な…。」


美「そんな事無いわよ?私はこれで、奈織人君を落としたんだから。」


愛「確かに、料理は良い手ですね。」


鈴「料理かぁ、あまり自信が無いけど、頑張るわ!」


愛「そうと決まれば、早速厨房で練習しましょう。」


美「さて、何を作るのかしら?」


愛「そうですね。先ずは定番の卵焼き、それから肉じゃがでどうでしょうか?男性の好きな献立ですし。」


美「そうね、肉じゃがは、カレーやシチューへ応用できるしね。でも、男性が肉じゃが好きって、都市伝説じゃないの?」


愛「そんな事はありません!では、鈴奈様。早速作って行きましょう。」


鈴「は〜い。」

…一時間後


鈴「出来ました〜!!」


美「……」

愛「……」


美「え、えっと…、すっごく、炭化したものと、真っ黒に煮詰まった煮物が見えるんだけど。」


愛「恐らく、炭化したものは、卵焼き?だと思います…。先ずは、卵焼きから食べてみましょう。」


美「え?大庭、それ食べるの?明らかに身体に悪そうよ?」


愛「しかし、食べ無い事には、味が判りません。」

サクッ。

愛「うっ!!完全に炭化してます。苦いぃ…。」


美「だからやめなさいって言ったでしょう?見た目でそうなる事ぐらい、わかるでしょう?大体、何でなんでこんなになる迄焼いたの?」


鈴「えっと…。生焼けでお腹壊すと、まずいなぁと思って…。」


美「それにしても限度が…。ま、いいでしょう。次は肉じゃがね。これも食べる前から、ヤバそうだわ。」


愛「…そうですね。」


美「大体、学校で調理実習があったでしょう?」


鈴「あ、その時は、何故か他のみんなが作ってくれて、私、お皿洗う係だったの。」


美「大庭…。」

愛「…はい、奥様。」


美「まさか自分の娘が、こんなメシマズ女だとは思わなかったわ……。これは由々しき事態だわ。」


愛「そうですね…。これでは、川上様も気の毒です。」


美「鈴奈、明日から一週間、学校を休みなさい。」


鈴「一週間ですか?でも、どうして?」


美「明日から一週間、料理の特訓をします!!

私の娘が、メシマズ女なんて、我慢ならないわ!!朝から晩まで、みっちりやるわよ!!」


鈴「えぇ〜!?判りましたしたぁ〜。シュン」

こうして一週間後、美鈴と愛の特訓の成果は実り、何とか食べられる料理が出来る様になったが、鈴奈の試練は、まだまだ続く。

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