黒金の姫の伝説 〜手違いから始まるヘルモード回帰〜
影 魔弓
第1話 プロローグ
『・・・汝に多大なる幸と祝いを』
長い長い儀式が終わった。これでようやく解放される……。
長い間私を苦しめてきた呪い……。それを解く為に界隈で有名な人に頼みに来た。必要な地位は揃えたし、予約も待った。
心残りがあるとすれば家族のもとに帰れなかったことと、一番依頼成功率の高い人に頼めなかったこと。後者は完全紹介制で辿り着くことさえ出来なかった。
手に残る感触、聞こえてくる誰かの声……。
「ん?」
思いがけず声が漏れる。状況に気付いた時には足が水晶玉に向かっており……。私は擬似世界へと吸い込まれていった。
「・・・って! 転生しとるやないかい!」
私の願いは人生の終結。最悪、魂ごと消滅してもいい覚悟だった。こんな事なら誰もいないところで独りで生きている方がまだ良かった。
そしてよりにもよって回帰。嫌でも思い出すあの惨劇を、回避するためにした死ぬもの狂いの特訓を。どちらにしても地獄。ただ、ステータスの関係上、後者を選ばないと大変な事が起きてきた。だから特訓を選ぶけどね。
「はぁ……」
大きなため息が出る。これから待ち受ける試練を考えると眠れない日々が続きそうで。
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ユミリア・フォース 女 e10歳
種族:人間 レベル1
〈基礎値〉
筋力:1
耐久:1
敏捷:1
器用:1
運 :1
魔力量:1
魔力質:Z
〈職業〉
『王女』レベル0
〈スキル〉
〈恩恵〉
『王家のプライド+』(1)
※自己蘇生が出来る。24時間毎に1回分貯まる。
『不滅の魂+3』
※ソノ魂ハ例エ死ストモ不滅ナリ。
『不変の姿+』
※隔離地球外にいた場合、外見的成長がストップする。内面的成長……ステータス上昇等は可。
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あー……恩恵が当時より良いのは喜ばしいことか?
王女に関しては引きこもり最弱姫だから信仰が無くても当然として……。
まずは生きる術を探さなくちゃね。寝床はこの小屋。当分寝るつもりは無いけど。食糧はその辺のキノコとか。仲間も探さなきゃいけないけど、流石にトレーニングしてからかな。
死んだら生き返れるのはメリットっちゃメリットなんだけど、死にすぎるとステータスめちゃくちゃ減るからね。
当時と同じなら5年間死に続けた訳だし、1回の死亡がかなりのリスクに繋がる。
ちなみに最初のステータスは800。1万が最低ラインの王家としては落ちこぼれ。学園に通う一般人が100〜200、貴族が最低500。
そして私が通うクラスには暴君で有名だった貴族の息子がおり……。その子のステータスは2000。幼かったこともあり、虐めの標的にされてからは死に戻りを繰り返し、やがて今のステータスとなった。
ちなみに運だけは当時よりも高い。当時はマイナス方向に振り切っていて、鑑定でもマイナス以外は分からないほどだった。
当時は成り上がりに成功したけれどその過程で失ったものは大きい。
これは当時より良くするための回帰か? ううん、そんなことはない。あの苦労を繰り返すぐらいなら回帰はいらない。
発端の一部はあの神術神に違いない。有名であると同時に馬鹿という噂が広まっていたからだ。だが、私の人脈ではその馬鹿な神しか頼れるものはなかった。
ただ、あの儀式の内容に転生や転移に関する文言はなかった。儀式の執行者が全ての行動をやった方が成功率は上がるため、私の書いたものを模写してもらったが、日本語が間違っていたとしても文句は言えない。忙しい存在であることは分かっていたからだ。
やはり私の運の悪さが考慮するのか。次頼む時のためにも、人脈を広げてもっと上の者に頼めるようにしなければ……。
「ハァハァ……こんなに私の身体って弱かったっけ?」
腕立て10回でへばってしまうなんて間違いなく前回よりも弱っている。力はいい。まずは足を、敏捷を上げなければ。とりあえず走り込みは無しで。この体力じゃ歩いても走っても変わらないどころか、敵の一撃に耐えれるかすら怪しいぞ……?
弱っているとはいえ流石に3日は持つとは思うし、そうでなくても気合いで持たせるから、まずは無害な魔物でも探しに行こうかな。その前に小屋と私をリンクさせて魔力を枯渇状態にしておこう。
魔力は小屋に1万まで貯めることができ、バリアを筆頭に様々な物に活用出来るが、私の主な用途としては魔力量の増加。魔盲な私は小屋への供給で魔力量を0にして自然回復で最大まで回復してを繰り返して魔力を増やす。危険な方法ではあるが、対処法を知っていれば問題ない。
ちなみに魔盲は魔力封印症や魔力欠乏症と呼ばれることもある。私の場合はその両方が原因だ。どちらもきっかけさえあれば解消される訳で……。後者の場合は魔力量さえ上げてしまえればいいわけだ。前者は……人から魔力を通してもらうのが一番かな。それで魔力のコントロールが出来る様になれば解決する。
「よし、終了!」
腕立てを休憩を挟みつつ30回。それと腹筋50回、スクワット10回、入念にストレッチを終えた上で外に出る準備をする。
さあ、ここから再スタートだ!!
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