第2話 劣等生

 魔法が大きな力と権力を約束する世界。


 僕はそこで、魔力を持つ人間として生まれた。


 両親は魔力を持っていない体質。


 だから、両親はすごく喜んでくれた。


 この子は、神に祝福された子だって。


 でも、そんなことはなかった。


 魔力を持つ子供は、13歳になるまでに、火や水、風、地、雷など、手のひらで大なり小なり生み出すことができるようになる。でも、僕はそうならなかった。


 周囲の目は、厳しくなる。


 ほんとは魔力をもってないだろ。

 嘘つきだろ。

 

 罵倒。そして、


 諦めろよ、無能力。


 僕は……、魔力を持っていても、魔法が使えない、無能力者の劣等生として、今まで生きてきた。


 すごく辛くて、でも誰にも言えない、僕の背負った罪だった。

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