第14話
鷲の魔物を捕まえて来て貰った。
テイムの魔法陣を紙に写し取って、鷲の魔物に発動する。
「……成功かな?」
手渡しで、餌を食べてくれた。
次に、視覚共用の魔法陣を発動してみた。こちらも漫画にしてみる。
鷲と視覚を共有する。
少し気持ち悪いけど、問題なく発動している。
鷲を飛び立たせた。
「凄い、情報量だな……」
鳥の視点……、人としてはあり得ないほどの情報量が手に入る。前の世界で言うとドローンかな。
ゴブリンは、街の周囲に数匹見張っているみたいだった。
私は、街の地図に×印を付けた。
「ここにいますね……」
ジャンヌさんが、飛び出して行く。
鷲を使って誘導する。
今日は、ゴブリンの斥候と巣を一つ潰せた。
「助かるよ。しかし、ユージはクスロールを自作できるんだね。珍しいスキルだ」
スクロール……。魔法が納められている、紙だったな。
そうか、私の魔法はそんなことにも使えるんだな。なにも考えずに、成功させてしまった。
その日のうちに、鳥のテイムと視覚共用の漫画を描いた。
ゴブリン討伐記に追加する。
ここでシーナさんが来た。
「喫茶店シーナは、少し休みにすることにした。ユージは、ゴブリン掃討に尽力してね」
……そうなるか。
「2~3日で終わらせるようにします。休業中の保証は、ギルドにしてくださいね」
シーナさんは、笑顔を崩さなかった。
◇
朝日と共に、鷲を飛ばす。
街の周囲を飛ばして、ゴブリンの巣を見つけておく。
それと、ハグレだ。野宿している集団を見つけた。一組だけど、殲滅となると取り残しがいるかもしれない。
ここは、相談だな。
今日は、私からギルドへ向かった。
ギルド長を呼び出して、ゴブリンの巣とハグレの位置を示す。
「……各パーティーを派遣するか」
ハグレは、ジャンヌさんのパーティーが担当するとのこと。
こうして方針が決まった。
私は、鷲を飛ばして、冒険者パーティーを誘導する。
それだけで、戦闘となった。
戦闘が始まったら、他のパーティーの場所に移動する。それを繰り返した。
「最後にジャンヌさんのパーティーだな」
一番距離があり、時間がかかると思われたので、最後にしたんだけど……。ハグレ達は、移動していた。
私は鷲を使って、方向を示唆する。
ジャンヌさん達の誘導だ。
戦闘が始まった。
だけどゴブリン達は、散会した。
「面倒だな……」
結局は、時間がかかったけど、ジャンヌさん達が殲滅してくれた。
気が付くと夕暮れだ。
私は、鷲を使って、街の周囲を俯瞰し、ゴブリンが残っていないことを確認した。
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