魔女のお茶会
高野真
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小学生になった時、近所の大おばあちゃんが私たちに教えてくれたことがあった。
「もし何か困ったことが起こったら落ち着いてみんなの心の中である言葉を言ってごらん。そうしたらきっとみんなにとってとってもいいことが起こるよ」
「う〜ん困ったことなんてないよ」
大おばあちゃんは答えてた。
「まだみんなが本当に困ってはいないってこと。でも覚えておいて損はないと思うよ」
「大おばあちゃん、いいことって何があるの?」
大おばあちゃんはニコニコしながら私たちに言った。
「本当に困ったことが起こったらわかるよ」
「ふ〜ん」
「ねぇ大おばあちゃん、言葉って何?私知りたい」
大おばあちゃんは私たちにてまねきをしてこう言った。
「じゃあ、みんな耳を貸してごらん。子供だけが使える言葉だからね大人には内緒だよ」
「ナイショだって」
「フフ。ナイショナイショ」
「私ナイショ守るよ」
「私も」
「私も知りたい」
大おばあちゃんはにっこり笑って
「それじゃあ、教えようかね」
私達にひそひそ声で教えてくれた。
「「「「「へぇ」」」」」
大おばあちゃんは、ゴツゴツした手で私達の頭を順番になでてくれた。
「明日から小学生だね。いい思い出をたくさん作るんだよ」
「大おばあちゃん、ありがとう」
「私、明日から楽しみ」
「うん」
「楽しみだね」
「うんうん」
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