罪よ聞いてるか。
ソングン
第1話 自分への戒め
この小説は空想です。
ここは熱帯雨林のジメジメとした薄気味悪い夜のジャングル。敵は林の闇から勉らを射撃する。仲間は勇敢に、その鳴り響く機関銃に体をのりだして銃を敵むがけ撃つが、次々と仲間は倒れて逝く。
そのころ勉は木陰にダンゴ虫の様な愚か格好で敵にバレないようにじっとしている。勉は
『戦争になんか行きたくて行ってる訳じゃない、本当なら普通の家で普通の暮らしあったのに。今こうして惨めな姿で隠れているが決して悪いことでは無い、なぜなら本来は戦争なんてやらなくて良かったからだ。』
そう勉は自分に言い聞かせた。だが横を見ると1人の兵士がこちらを呆れたような目でずっと見ている、そしてその兵士は数秒後、頭を弾が貫通しその兵士の返り血が辺りの葉に落ちる。勉は今の兵士よりも自分の事を呆れている。
やがて機関銃の音も、爆発の音も、雨の音も、突撃の音もしなくなり、聞こえるのは仲間の助け声だけだった。勉は仲間の見るも無惨な姿を遠くの木陰から眺めた。仲間は痛々しい姿で助けを叫んでいる、だが自分は治療する事は出来ないし助けを呼びに行く道すら分からないので仲間に何かしてやれることは無く仲間の助けの叫びを聞こえないように耳を手て塞ぎ、目に映るその痛々しさをまぶたで塞ぎこんだ。
勉は仲間の叫び声が無くなると頭を出して仲間の屍を歩いた、しばらく屍を歩いていると荒い息が聞こえてきた、勉は恐れ、物音を立てずに止まったが物音を立てないようにしゃがもうとした時木の枝を踏んでしまった、勉は荒い息の主が味方であることを心から願った。だがその正体は敵だった、勉の心臓の音は自分に聞こえるほど鳴り、恐怖で動けなかった、今にも泣きそうな、彼はこの後どんな仕打ちをされるのかだけを想像した、だが敵は彼を見はしたが殺さなかった、正確には殺す暇すら無いようで足を引きずりながら私の横を通り歩いて行った。
勉は彼が踏んだ足跡を追って行った、すると村へと辿り着いた、そこはまるで墓地のような静けさがあり、人一人として見当たらない不気味な雰囲気が漂っていた。
彼は恐る恐る家々を調べ、人が居ないかを探した。勉はその村で敵国である東鶴国産の鯖の缶ずめとメルトール産の酒があり、勉はその夜、前線で何もせずウジウジしていた事を罰と捉え明日の朝死ぬことを覚悟し、鯖缶と酒を最後の晩餐にし大食した。
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