22. ブラックホークダウン(2001年、アメリカ)
またまた久しぶりになって申し訳ありません。
時節柄というべきか。自衛隊のヘリが行方不明になったことで、不謹慎ながらこの映画を思い出しました。
監督は、リドリー・スコット、主演は、ユアン・マクレガー、ジョシュ・ハーネット。
戦争映画ですが、非常に特徴的で、印象深い映画としてよく覚えてます(というか、ブルーレイ持ってます)。
アメリカの戦争映画といえば、それこそ「ロッキー」に代表されるような、「マッチョで強くて、敵を圧倒する」ヒーローみたいなものが多く、アメリカ人もそういうのが大好きなのでしょうけど。
この映画は、その「真逆」を行くあたりが面白いです。
史実を描いたドキュメンタリー映画に近く、実際にはソマリア内戦への超大国による介入とその失敗を描いたノンフィクション小説でもある『ブラックホーク・ダウン
アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』(マーク・ボウデン著)を映画化したものと言われています。
タイトルの「ブラックホークダウン」の名前は、作中でもセリフがあるように、ブラックホークというアメリカ軍の戦闘ヘリが「ダウン」つまり、墜落したことに由来してます。
そして、すごいのが1993年に実際に、アメリカ軍がアフリカのソマリアに内政干渉に近い形で、軍事介入をして、長く続いている内戦を終結させようと、最大勢力である、ババルギディル族を率いて和平に反対するアイディード将軍の副官2名を捕らえるため、レンジャー、デルタフォース、航空部隊ナイトストーカーズなどで構成された約100名の特殊部隊を首都モガディシュへ強襲させており、当初、この作戦は30分足らずで終了する予定だったため、完全に「余裕こいて」アメリカ軍はソマリアに向かいます。
が、そこからが「地獄」の始まりでした。
来るわ来るわ、ゲリラの群れが。
民間人に偽装して、ロケットランチャーを撃ったり、どこからともなく襲ってきたり。この映画は、この「ゲリラ戦」、特に市街戦の壮絶さを描いてます。
なので、アメリカ軍は、ヒーローどころか「ヒール」、つまり悪役に近いくらいの演出で、徹底的に叩かれます。
その意味で、それまでの常識を覆す作品でしょう。
撮影は、実際のソマリアの首都、モガディシュが政情不安のため、地形の似たモロッコで実施されたそうです。
主人公役のエヴァーズマン二等軍曹のモデルとなったマット・エヴァーズマン退役曹長は、ロケ現場を見学してモガディシュの戦闘を思い出し、足のすくむ思いをしたそうです。
映画的な誇張はありますが、それでもかなりリアリティーに凝った作りをしており、いわゆる「アメリカ万歳」的な映画を嫌う人には、いい映画かもしれません。
別の意味で、最後までドキドキ、ハラハラする展開のこの映画。戦争映画としては、個人的には結構好きで、今でもたまに見直します。
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