ドラマ『鎌倉殿の13人』
とうとう来てしまったか、鎌倉について語るときが……。
流行の人気作については語るの控えようと思ってたんですけどね。いや、だってなんか怖い人が見に来そうで怖いじゃん。
でも最終回を迎えて、今この興奮が冷めやらぬうちに語っておきたいからどーんといってみよう!
そんなわけで2022年のNHK大河ドラマです。
脚本・三谷幸喜、主演・小栗旬。
伊豆の弱小豪族の次男坊に過ぎなかった北条義時が、源頼朝と出会い、頼朝が開いた鎌倉幕府と北条家を守るため、武家の頂点に立つまでを描いた歴史エンターテインメント。
ちなみに大河ドラマ自体はちょいちょい見てます。
ですが、一話から最終話までこれだけ熱い気持ちで一話も欠かさず毎週楽しみにして観たのは初めてかもしれない。
『鎌倉殿の13人』一話からすごく面白かったんですよ。あくまで私見ですが、これ、大河でなかなか稀な事じゃないかと。
「新世界より」と共に馬を走らせる小四郎。後ろには女装した頼朝。こうやって文字にしたら妙な感じしかないけども、とにかく、ぐっと掴まれました。二話目をあんなにも楽しみに待ったのは初めてです。
なんせよく一話で振り落とされる。一話見て「面白そうだね」で二話目見ない、ってやつね。
そもそも私はドラマ自体ほぼ観ない。たまに点けっぱのテレビでたまたまやってるの眺めてるぐらい。
大河は自分の中では見てる方、でも毎週欠かさず最初から最後まで、ってあまりない気がする。
『篤姫』ぐらいか? 『新選組』も見た気はするけど。
たぶん続けて見たら夢中になったの結構あるんでしょうけど、一話でも見落としたらもう「なんかめんどくせ」ってなっちゃうしね。
面白くないとか思ってるわけじゃないんです。ただ、毎週同じ時間にテレビの前に座るのって、なかなかストレスなんですよ。ちなみに録画はしたところであんまり見ない。録画したことに満足して終わる。
話を戻しましょう。
まずは、面白かったです。とにかく面白かった。これはもう、含むところなど何一つなく本心から声を大にして言える。ちょう面白かった。
演出が、脚本が、演技が、メッセージ性が、とか色々な要素あると思うんですけど、とにかくまずドラマとして単純にものすごく楽しめた。これ、エンタメにおける一番大事なことだと思います。
飽きることなく見続けた。毎週めちゃくちゃ楽しみにしてました。コロナで熱出して死体みたいになってる時でも「鎌倉殿がはじまる……」ってなってましたからね。その時はさすがに録画して後で見たけど。
話の大筋はね、史実ですから分かってるんですよ。どうなってしまうんだ! っていう先の読めない展開は基本的にないんです。
どこで誰が死んでしまうか、いつ何が起こるのか、戦がどこで起こり誰と戦いどちらが勝ち負けるか、全て知っているんです。その状態で見て、それでも面白い。これ、すごいことでは?
史実の隙間にある「人」が、その心情が、その行動が、避けようのない悲劇に向かって一歩一歩着実に進んでいく、その行程がこんなにも面白い。脚本の妙、とでも言うのでしょうか。「そう描くのか……!」っていう場面もたくさんありました。
そして俳優さんね。
普段洋画ばっか見て「ヘンリー・カヴィルがー、マカヴォイがー、ティルダさまー」とか言ってる私、日本の俳優さんには明るくないのですが、小栗旬さんはさすがに知ってます。
大変失礼な話なのですが、ちょっとチャラついたイメージでした。「まーきの」って言ってる感じの。いつの話だよだし、たぶんご本人のイメージでもないし、我ながら酷過ぎるイメージで本当に申し訳ない。あとどっかで石田三成やってたのは覚えてる。
「こんな顔をするのか……!」と驚きの連続で……。もちろん演技の専門的なことは素人なんでわかりませんが、それでも作中何度もその演技に「はわわわわ……!」ってなりました。
今私の中ですごく気になる俳優さんです。次回作は決まっておいでか? できればスクリーンで出会いたいものだな。たまには邦画もいい気がしてきた。
何話だったかな、終盤の、あのただ廊下を歩いているだけのあのシーン。
台詞もなく、ただ義時が歩いているだけのシーンが、こんなにも印象に残っている。溢れる様々な思いのその果ての、揺るぎない決意を感じさせる、とても印象的なシーンでした。
でも正直一回見たっきりだから、自分の中でなんか脚色してるかもわからんくて、ちと不安……本当にそういうシーンだったかな……。
推しは大江殿だったんですけど、冷静になってよくよく思い返せば、本当に推せるか……? っていうことしてるわあのインテリヤクザ。
なんかもう、迂闊な人を推したらすぐ死んで心に傷を負うから、っていう防衛本能から安心安全な大江殿を選んだだけなんじゃないかとちょっと自分を疑っている。比企殿に接待されてる時の感じとか好きです。尼御前推しなとことかもね。あとインテリヤクザなとこが好きです。
終盤以前のことはよく覚えてねーな! 上総介殿のこととか忘れたわ! だって思い出したら推せない!
「やめろおおおおおおおおおおお!」
「もう、もうやめてくれ……それ以上は……もう……」
みたいなことばっかり起こって、オープニングで八重さんに振られて号泣してたあの小四郎くんを返せ、と何回思ったか知れない。あ、私は茸好きだよ。
暗黒面に落ちて、こっちちらっと見るだけでも戦慄するようになってしまって、頼朝より怖いわ義時このやろう! って何回も思いました。
でもなんか憎めないのは、一年かけてその成長……成長? を見守ってきたからなんでしょうね。
最後の尼御台の演説、本当に泣けました。一年かけてたくさんのものを積み重ねて、ここに到達するのか……! と、震えた。私も大江顔になったわ。
最終回、本当に凄かった。しばらく何も言えなくなった。
すごいドラマに出会ってしまったものだよ。
過ぎ去っていった登場人物たち皆、とても魅力的で、去るのを惜しんだ人ばかりです。一人ずつ挙げてったらキリがないのでちょっぴりだけ。
頼家さまがかっこよく散っていったのが、なんか嬉しかったです。最後の花道……。
義経のサイコパスっぷりもヤバくて好きでした。斬新な解釈だと思ったけど、今はもう、あの感じが当たり前みたいな気持ちでいる。
仲章殿、生田斗真さんの顔すごく好きなんですけど、顔面は好きなのにめっちゃ腹立つ顔しててすごく好きでした。すげえムカつく顔すんじゃん!(褒めてる)
序盤で、こんなに北条家皆仲良しなのに……? って思ってたんだけど、なんかもう少しの無茶も感じさせない崩れっぷりでぐうの音も出なかった。私も一緒に崩れ落ちました。
「ここは鎌倉」とか言われてその説得力に湧いたけど、なんだその説得力こえーよ。
酷いことがいっぱい起こったドラマでしたが、喜怒哀楽色んな感情を存分に味わって、一年間たっぷり楽しみました。
制作に関わった全ての人にありがとうを言いたい。
ありがとうございます! すごく面白かったです! 大好きなドラマです!
鶴岡八幡宮行って、鳩サブレーと小鳩豆楽買いたい。
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