「名刺代わりの好きな本5冊(小説以外版)」

私が『本』を愛する気持ちは小説だけにとどまらない。

むしろ「読む」ことに特化した小説というジャンルよりも、ビジュアルで見せる小説以外の本の方がより紙媒体の特性を生かした従来の『本』というべき……以下略。


いきなり気持ち悪い語りから入りましたが、私は小説以外の本についても語りたいっていう、つまりそういうことです。

さあ、そんなわけで小説以外の本五冊。はりきっていってみよう!


『Michi/ junaida(ジュナイダ)』

これ! これ今私の中でかなり熱い本! 夢のように可愛くて綺麗な絵本です。

junaida、ご存じでない方も、絵本コーナーに足を運ぶ方なら見た事ぐらいはあるかもしれません。肩書としては画家の方ではありますが、絵本が結構出てます。結構ダークな世界観を描かれてることが多いかな、という印象ですが、この『Michi』に関しては、ダーク要素ほぼ無し。

両開きの絵本で、男の子と女の子が表紙と裏表紙からそれぞれ歩いて行く、みたいな内容です。イラストのみ、文章無し。もうね、ほぼ画集です。

街並みのような景色の中を、どんどん歩いて行って、ページをめくるごとに異なるテーマ性を持った街並みが現れます。

水の中に沈んでいたり、楽器がモチーフだったり、機関車だったり、色々。

パッと見て色彩の美しさに感動し、その描き込み、丁寧に描かれた細部にまた感動する。そんな絵本です。

この本を眺めながらのコーヒーは最高だ。


『魔笛/ 絵:ミヒャエル・ゾーヴァ 文:那須田 淳』

オペラの有名な題材『魔笛』、それをミヒャエル・ゾーヴァが描いた絵本です。

ミヒャエル・ゾーヴァ、好きなんです。

ちょい古いですけど、アメリというフランス映画で、アメリの部屋に飾られていた絵を描いた画家・イラストレータです。ドイツの方ですね。

初めて認識したのは原画展でした。絵本の原画展みたいなやつで、たくさんの作家さんの原画がある中で、私はこのゾーヴァの絵に惹かれたのです。

とにかく圧倒されるほど美しく、ダイナミックで、それでいてどこかユーモラスなその絵に、私は一目惚れしました。

いつか富豪になったら寝室に飾る絵はミヒャエル・ゾーヴァ。ちなみにリビングは junaidaと決めています。

正直なところ、魔笛自体は私には難解過ぎてなんとも。えっと、曲は好きですよ。

とりあえず、ゾーヴァの絵を堪能できる絵本です。印刷物じゃあな、ってのもあるにはありますが。

叡智の殿堂の絵が特に好きです。でも冒頭のシーンも好き。いや、もう全部好き!


『海時計職人ジョン・ハリソン【船旅を変えたひとりの男の物語】/ 文:ルイーズ・ボーデン 絵:エリック・ブレグバッド 』

絵本ですが、こちらはほぼ文章メインです。

18世紀、航海での使用が可能な携帯できる時計を、その生涯をかけて作り上げる、職人の伝記絵本です。

どんな困難にも立ち向かい、ひたむきに精度を求め続ける職人魂。

その信念、不屈の精神に、私はとても感銘を受けました。とても良い本です。


『ヴェルサイユの庭園』

「のぞきからくりえほん」って書いてある。

穴から覗いて風景を楽しむ、というからくり絵本です。作者も書いてないな。

蛇腹で繋がった六枚のプレートを、一番上のプレートに付いた穴から覗くと、遠近感のあるヴェルサイユ庭園の風景を楽しむことができるよ、っていうしかけ。

自立はしない。でもなんかもう、これは所持している、という満足感を満たしてくれる逸品です。たまに覗いて楽しんでます。

絵本と銘打ってはいますが、子供に与えるものではありません。大人がブランデーとかちびちびやりながら楽しむイメージ。


『魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン/ マルカム・バード』

私は子供の頃からこの絵本が大好きでした。

魔女的レシピが載っていたりするのですが、鉄骨クッキーよく作りました。めっちゃ硬くて生姜味の甘いクッキー。

魔女とか吸血鬼とか、なんかそういうちょいホラー要素の入ったカジュアルなハロウィン的雰囲気を好む時期ってあるじゃない。そういう時に手にしたもんだからさ。今も好きだけどね。

コミカルに描かれた魔女たちが、魔女の心得とか教えるユーモラスな図鑑です。とにかく楽しい。

可愛い系の魔女ではないから注意して。


以上、小説以外版「名刺代わりの好きな本5冊」でした。

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