漫画『とうきょう小鬼らいふ/草川為』

草川為さん、とても好きです。

ずっと買い続けてる作家さんです。既刊全部持ってる数少ない作家さんでもあります。


とうきょう小鬼らいふは読者に優しい一巻完結。

以下は公式より

「彼氏に二股をかけられフラれた、ふみ。クリスマス前の東京で独りは辛すぎる…。そんなとき、小鬼の百間ひゃっけんが秋田からホームステイしにやって来る!! 周囲に鬼だとバレないよう気をつけながら、2人は東京でハッピーに暮らせるのか?」


小鬼の百間がやってくるんです。百間がかわいい。


だってね、もうね、世界が残酷過ぎるんですよ。雪哉が酷いことばっかするし、五条悟の封印は解かれねーし、サウロンお前かよだし、FEは血の雨同窓会だよ。どうすんだ無くしたものは二度と戻らないんだぞ。ドラゴンボールなんて無いんだぞ! みたいなことばっかり起こるじゃない。

つらい。とてもつらい。

そんな時にほら『とうきょう小鬼らいふ』ですよ。


ほのぼのハッピーライフ。

心行くまでほのぼのしてくれ。

誰も死なない。誰も殺さない。誰も封印されない。そういう優しい世界があることを知ってください。


いや、もうちょっと殺伐としたのがいいんだよね、という修羅の道を行く方は同じ作者さんの『年年百暗殺恋歌ネンガラネンビャクアンサツレンカ』がおすすめです。

暗殺を生業とする家に生まれた姫と、その姫に傾倒する少年のクソデカ感情暗殺漫画です。既刊三巻以下続刊。

みんな死ぬし、みんな殺す。世界は優しくない。可愛いのは絵柄だけ。


はああああああああああああああってなるから、そしたらとうきょうで小鬼らいふを送ったらいい。

百間かわいい。

若廉じゃくれんもかわいい。

ちょっと意識が高かったり、気付けば楽しく遊んでたりするふみと百間がただただかわいい。

趣味に没頭し、美術館へ行き、動物園へ行き、食品サンプルをつくる東京暮らし。

読んでいて疲れない。つらくない。

ただなんかすごく羨ましい。

私もそんな暮らししたい。



絵は少女漫画っぽい感じです。写実的ではなく、いわゆる漫画的なデフォルメがされている絵柄。可愛い感じです。そこが私は好き。

初期の作品、『ガートルードのレシピ』に登場するマリオットとプッペンっていう人形みたいな悪魔がいるんですけど、あの二人なんて特に絵柄とマッチして可愛かったねえ。すごく好きです。

前述した『年年百暗殺恋歌』とかもね、あんなん写実寄りでやられたら死ぬわ。怖くて見れん。

絵柄によってマイルドになっております。色々と。


そして草川為さんといえば、モノローグです。

モノローグがね、すごくいいんですよ。

いや、モノローグ堪能するなら他の作品がいいかな。

『ガートルードのレシピ』からモノローグ上げてって語り尽くすのもやぶさかではない。


あとねあとね、『僕の棺で晩餐を』もすごく好き。『めぐる架空亭』『もっけの箱庭』もいい。鳥スキーとしては『十二秘色のパレット』も外せない。

まあその辺気になったら自分で確認してください。キリがねえ。

『もっけの箱庭』は現在連載中の作品なので、お試ししやすいはず。



とりあえず『とうきょう小鬼らいふ』。

一巻完結で恋愛でないほのぼの、そして何もつらいことが起こらない。

草川為さんの作品に触れてみるのにちょうどいいと思います。

是非どうぞ。

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