第40話「最近の学園の様子」

 Side ディノ・ゼラヴィア 皇子


 =地球時間でおよそ一か月後・アーク(学園)近くに駐留させた旗艦、アロンズダイトの私室にて=


 一旦母星であるゼラヴィア帝国に帰り、そして再び地球に戻った。


 地球は現在大雑把に言うと3つの勢力に別れていた。

 

 中立派


 銀河連邦派


 ゼラヴィア帝国派


 この3つである。


 それで世界はこの世の終わりのように荒れるに荒れていた。


 ちなみに帝国内では「ぶっちゃけ地球など放置してもよいのでは?」と言う意見もある。


 だが地球は自分の故郷でもあるし、せっかくゴースト作戦までやったのだ。(*ファーストシーズン、第21話、第22話参照)

 放置と言う選択はありえない。


 それに演説したり歌まで披露したりしたのだ。


 ここまでやっておいて手のひら返して地球を放置して銀河連邦に明け渡しり、滅ぼすなんて、地球の大切さを謳いながら地球に隕石を落ととして滅ぼそうとした赤い総帥みたいだ。


 もしくは〇ィンキー時代のスパロ〇でラスボス張ったりもしていたダンクー〇のシャ〇ロか。

 

 アレと同列に思われるのはイヤだった。

 

 それはともかく――


 学園内の様子を順に追って話そう。


 学園は以前の活気を取り戻しつつある。


 変わったのは綺羅 セイジだろう。


 取り巻きの女の子達も真面目になりつつあるらしい。


 それに追従するようにクリスも変わってくれた。

 以前は友人に対して言い方は悪いがくさっていた。


 今は仲間達と一緒にトレーニングに精を出し、綺羅 セイジとも関係がよくなっているようだ。


 学園に滞在していた大文寺 リョウマは元々の人柄もあったのだろう。

 スグに学園に馴染んでセイジやクリスと仲良くなった。


 ちなみにグランディスは大文寺 リョウマの願いで僕が預かっていた。

 

 リョウマはリョウマなりにグランディスについて色々と考えているらしく、グランディスのテクノロジーの悪用を防ぐために僕が預かっていたのだ。


 その対価としてある程度解析をしてもいいとも言っていた。

 本人(大文字 リョウマ)曰く、「俺の人を見る目は確か」だそうだ。


 ディセントとの戦いは相変わらずだが――最近ディセントと一緒に黒いエクスアーマーが暴れ回っているそうだ。


 白髪の長いツインテール。

 純白の肌。

 赤いバイザー。

 十代ぐらいの少女。


 多数の遠隔誘導兵器を操ったり、大型のディセントを使役していたり謎が多い存在だ。


 中々に手強く、綺羅 セイジやクリス、ユン(ゼラヴィア帝国の工作員)達でも仕留めきれなかったらしい。


『謎の黒いエクスアーマーの戦闘能力は危険です。ディセント達も再び動きが活発化していますし、油断は禁物かと』


 と、私室のモニターからユンの報告を受ける。


「それに地球情勢も読み難くなってるな」


『今はゼラヴィア帝国脅威論は収まっていますが内心ではどう思っているのか――』


 こればっかりはユンだけに任せるのは酷だ。

 

 それに銀河連邦のスパイが地球――それも学園で暗躍している可能性もある。

 

 なるべくユンの正体が割れるのは避けたかった。


「ともかく今は黒いエクスアーマーが問題か」


『はい――』


 意識を黒いエクスアーマーに移す。

 今まで黙認していたマキナ機関の差し金か、あるいはディセントのコピーか。 

 なんにせよ油断は禁物のようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る