学園でいじめられていた自分が宇宙帝国の皇子に転生して地球の通っていた学園に戻るお話
MrR
ファーストシーズン
第1話「転生者の帰還」
Side ディノ・ゼラヴィア
転生し、とある惑星の皇太子になった自分。
僕は地球の調査目的で派遣された司令官に命じられた、皇太子デュノ・ゼラヴィア(灰色髪で中性的で美形な感じ)になった。
早い話が昭和のロボットアニメの悪役の敵司令官みたいなもんだと思ってくれればいい。
艦隊と一緒にロボット兵器を中心に多数運用している。
僕――愛坂 ヒデトは地球人で日本で暮らす学生だった。
問題なのはただの学生ではなく、国防を担う軍隊学校に通っていたこと。
同時にそこは謎の人類の天敵・ディセントと戦う戦士を育てる場所でもあったことだ。
ディセントに対抗するには専用のパワードスーツ・エクスアーマーが必要になる。
エクスアーマーの性能をフルに引き出すには適正地と言う物が必要になり、その適正値は女性が高い。
男性でも高いのは稀だそうだ。
そして自分が適正値が高かったのが第一の不幸。
第二の不幸は同時期に入って来た同じ男子の天才、綺羅 セイジ。
適正値は最強クラスの天才で女子によくモテるクセに朴念仁で姉は最強クラスのエクスアーマー乗りとか、なんか複数のラノベの設定を混ぜ合わせて誕生した最強主人公みたいな奴だ。
そんな奴と比較されて自分は肩身が狭かった。
陰口も叩かれ放題だった。
実際、綺羅 セイジは実力もあったし、運にも恵まれた。
機体も高性能の専用機が与えらて主役が俺だと言わんばかりに大活躍していた。
そりゃ女子達にはモテるモテる。
姉を始めとして様々な権力の後ろ盾もあった。
そんなだから俺は綺羅 セイジと比較された。
どんなに頑張っても、綺羅 セイジならと言われてしまいだ。
陰口で綺羅 セイジみたいに頑張れたらね~などと言われる始末だ。
そんな状況下で十代の少年がマトモでいられる筈もなく、人生が嫌になりながらも俺は人類の天敵と戦い続けて戦死した。
第三の不幸があるとすれば――転生して地球に来てしまった事だろう。
前世の自分が死んでからそれ程時間が経ってない事に驚いた。
自分が死んでもそれ程世間で騒がれていないのは――何となく分かっていた事だがショックだった。
「どうしましたか? デュノ様」
自分の副官であるジーナ・ヴェルティーユ。
長い銀髪で胸が大きく背も170cm以上あり、漆黒の帝国の軍服衣装を綺麗に着こなした凛々しい女士官。
1200m級旗艦アロンズダイト、ブリッジの皇子専用席に座る自分へ心配そうに切れ長の瞳で見つめられた。
そうされると流石に照れくさくなる。
「いいや地球の事が気になってね……」
と、誤魔化すように言った。
「ご安心ください。例え地球が敵に回ろうとも、外宇宙の敵性体が襲い掛かろうともこの命に懸けて殿下をお守りします」
「う、うん」
昔色々あって――具体的には専用の開拓惑星で呑気にスローライフしていた時期に機動兵器を駆って自ら出撃していた時期があってからの縁である。
今回は副官として地球まで遠路はるばるついてきた。
「とりあえず使節団の形をとるぞ――」
「つまり友好的に接すると?」
「まあね」
「なんと辺境銀河の惑星相手に慈悲深いお方なのでしょうか」
と、ジーナが感激したようにいう。
正直に言えばなんだかんだで命懸けで戦った地球である。
侵略するのは心情的に嫌だった。
「では部隊を分割して、火星と月に拠点の構築を。そして使節団は地球へと降りる形で――このアロンズダイトは、でかすぎるけどまあいいか。このまま降りよう」
「分かりました!!」
こうして降下の段取りを決める。
正直、火星と月に拠点を構築した時点で別に地球なんてほったらかしにしてもいい。
資源を貪るだけ貪って太陽系から離れても良かったが、一応は地球の調査と言う名目もあるのだ。
(ちょっと驚かせてやるか)
などと思いつつ進路を生前に通っていた母校に定める事にした。
ちょっとした復讐と言う奴である。
いくら地球でも、どんな大国でも外宇宙規模の二正面作戦などしたくはないだろう。
そんなのが許されるのはスパ〇ボぐらいだ。
こちらの要求はすんなり通る。
地球人の業の深さを知っている身としてはそれぐらい傲慢なぐらいが丁度いいと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます