俺たちの春風

紫陽花の花びら

第1話 俺って……

 俺の中にあった違和感が少しずつはっきりしてきたのは中学二年の終わり頃からだった。

それは、特に一対一で女子と関わると顕著に現れた。

酷い疲労感を覚える事なんだ。

救いは、よく連んでいる奴らが、必ず助けてくれる。

俺は男子といると安心?変な表現だけどね。

 そんなある日、家の女性陣が賑や過ぎるなんて話しを父親としていて、俺はそれとなくこの話しを為てみた。

父親は、驚くほど普通に聞いてくれて、

「そんなんだ……じゃぁ同性にドキドキすることある?」

「へぇ?うん……格好良いなぁとかは思うよ。例えば小…旬とか、綾…剛とか、後クラスの中にも」

「お!クラスいるんだ? じゃぁアニメで可愛いキャラの女の子は?」

「別に……全然。なんか女子って面倒いんだ」

「俺もその頃は、女子面倒くさって思っていたよ」

俺のは、それとは似て非なるもの、いやいや……根本的に何か違う気がするんだよ。

胸がデカいとか何とも思わない

のに、黒髪サラサラ眼鏡男子を見るとズキンとするんだ。

「ねぇ、俺は同性にしか好意がもてないとか?なんてことは無い?」

父親は暫し考えていたが

「それは判らんが、別に誰を恋愛対象にしたって良い訳だし。これからの時代、そんな事でいちいち驚いていたら、それそこそどうよ?」

いやまぁ確かに、そりゃそうだけど。

「俺、女性は家の二人で腹いっぱい。だから出来れば高校は男子校にしたい」

ついに! 俺は日頃からそうしたいと思っていたことを話した。

「進路なぁ。大学まで視野に入れなきゃ為らないからな。母さんや先生とも相談して。まずは信也が行きたい高校の候補挙げてみなさいよ」

「判った。聞いて貰ってす、げぇ安心したよ。後は……」

父親は、にやりと笑い。

「母さんは知ってるよ。お前が話してくるの待ってるよ」

 その後、俺の話しを真剣に受け止めてくれた家族には、本当感謝している。

 

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