第八章 星辰(ほし)に願いを

幕間 その一

登場人物紹介(中将)



☆私は外法衆正隊員げほうしゅうせいたいいんの中将。

 ここでは、第八章に登場する人物達とこれまでの粗筋を紹介する。

 この中将自慢の弟子も紹介するゆえ、是非とも読んでもらいたい。


※本項は登場人物の紹介と前章までの粗筋を記載しています。

 若干のネタバレを含む場合がありますのでご了承下さい。


 本項の情報は、作中の一九一九年七月時点のものです。



◆ 主な登場人物 ◆



◇ 玉藻たまも ◇


 十八人いるといわれる外法衆正隊員のひとり。

 玉藻前面たまものまえめんを被っている。


 身長は日本人女性平均だが、ボンキュッボンのナイスバディの持ち主。

 それにより、外法衆の男性準隊員のみならず女性準隊員からも女神の如く崇められている。


 隊長であるテンバ・シローの信頼も厚く、本部の指揮を任される事も多い。

 又、準隊員達の纏め役でもある。


☆実は私などよりはるかに年上で、外法衆発足当初からの構成員らしい。

 老いを感じさせない容姿もそうだが、生い立ちも謎だらけだ。

 若しや橋姫と同じ、旧文明の生き残りではあるまいか……。



◇ 気狐きこ ◇


 十八人いるといわれる外法衆正隊員のひとり。

 赤狐面しゃっこめんを被っている。


 五分刈ごぶがりの頭をした十七、八歳の少年。

 背丈は日本人男性平均。

 引き締まった身体付きで、身体中に多くの傷痕きずあとがある。


 短気だが向上心にあふれる性格。

 中将ちゅうじょうの弟子でもある。


 戦闘流儀バトルスタイルは体術の他、長剣の扱いを得意とする。

 ファンタジー作品でいう所の剣士ソードマン


☆私の誇れる弟子だ。

 若さゆえ粗削あらけずりな所が目立つが、よわいを重ねるに連れ洗練されて行く事だろう。


 いつかお前と死合しあえる時を、楽しみにしているぞ……。



◇ 蝉丸せみまる ◇


 十八人いるといわれる外法衆正隊員のひとり。

 蝉丸面せみまるめんを被っている。


 細身で細面ほそおもての十四、五歳に見える少年。

 冷静沈着で合理的な性格からか、外法衆若手ホープの纏め役を任されている。


 陽神ようしんと呼ばれる特殊な分身を使い戦況を有利に導く。

 直截ちょくせつにいえばジ◯ジョのスタ◯ド使い。


☆気狐とは真反対の性格であるからか、意外と馬は合うようだ。


 将来を有望視されている若者なのだが、少し卑屈ひくつな所がある。

 原因は彼の生い立ちだろうな。

 あのようなやからが父親とは……。



◇ 橋姫はしひめ ◇


 十八人いるといわれる外法衆正隊員のひとり。

 橋姫面はしひめめんを被っている。


 銀髪に翠眼すいがん白色人種コーカソイド

 五、六歳ながら、身長が五しゃくすん(約一六〇センチメートル)程にも達する。


 子供らしく天真爛漫てんしんらんまん

 気狐を気に入っているようで、何かに付け困らせている。


 子供ゆえに複雑な事は出来ず持ち前の怪力で闘うが、手足が短いので打撃はまだ苦手。

 格闘ゲームで云う所の投げキャラ。


☆気狐に纏わり付いている巨大幼女だ。

 彼女を見出みいだした先代隊長によると、旧文明で栄えた王家の血を引いているらしい。

 とう事は、巨人の血を色濃く引いている……。



◇ 多野たの 剛造ごうぞう ◇


 神日本帝国の歴史学、伝承学の権威であり、真道院しんとういん大学の学長。

 宮森の師であり、彼を九頭竜会くずりゅうかいに引き込んだ張本人。


 邪神の一柱ひとはしらを定着させており、九頭竜会では瑠璃家宮 るりやのみやはに属する。


 電撃を得意とし、条件が揃えば石化術式も発動できる。

 電気を操る能力を応用しての居合術いあいじゅつも得意。


 石化解除の術式をあつかえる為、余程の事がないと瑠璃家宮のそばを離れない。


☆今回弟子達がおもむくのは瑠璃家宮 派の本拠地。

 こ奴の石化術式が発動しやすくなる仕掛けが施されているはず

 上手く切り抜けられるといいが……。



◇ 蔵主ぞうす 重郡しげさと ◇


 蔵主 財閥の三代目当主。

 全世界での人類大量虐殺に必要な兵器製造を担う。

 アメリカ合衆国と手を結び、数多あまたの次世代兵器を開発中。


 邪神の一柱を定着させており、九頭竜会では瑠璃家宮 派に属する。


 自陣営の魔術師に能力を与えたり、逆に能力を借り受ける共有シェアが固有術式。


〈ショゴス〉との融合に成功しており、『〈ダゴン益男〉や〈ハイドラ頼子〉などが術式効果範囲内に居る』などの条件を満たせば、ある程度肉体を異形化させる事が可能。


☆こ奴の共有シェアは蝉丸 達の切り札と良く似ている。

 苦戦するようならば使わざるを得ないが……。



◇ 権田ごんだ 益男ますお ◇


 瑠璃家宮 派に属する魔術師で瑠璃家宮の側近。

 頼子とは夫婦。

 要人警護や対象監視の任務に就く事が多い。

 表向きには電気技師の職に就いている。


〈ショゴス〉との融合に成功しており、ある程度肉体を異形化させる事が可能。

 戦闘の際にはそれが遺憾いかんなく発揮され、豊富な戦闘経験を生かしてオールマイティな立ち回りを見せる。


〈父なるダゴン〉の邪霊を定着させており、〈深き者共ディープワンズ〉を統率する。


☆今度死合う時はどのような闘いが出来るか今から楽しみだ。


 それにしても〈ハイドラ頼子〉の夫とは。

 うらやましい……。



◇ 権田ごんだ 頼子よりこ ◇


 瑠璃家宮 派に属する魔術師で瑠璃家宮の側近。

 益男とは夫婦。

 夫の益男 同様、要人警護や対象監視の任務に就く事が多い。


 現在は一応専業主婦。

 益男と結婚する以前は看護婦をしており、今でもその手並みは衰えていない。


〈ショゴス〉との融合に成功しており、ある程度肉体を異形化させる事が可能。

 戦闘の際にはそれが遺憾なく発揮され、豊富な戦闘経験を生かしてオールマイティな立ち回りを見せる。


〈母なるハイドラ〉の邪霊を定着させており、〈深き者共ディープワンズ〉を統率する。


☆瑠璃家宮に改造された影響で、甲殻類の特徴を備えた姿にも任意で変身できるようになったらしい。


 彼女の美しさが我が弟子に対しどこまで続くか、見物みものだな……。



◇ 比星ひぼし 今日一郎きょういちろう ◇


 魔術結社の者達からは宮司ぐうじと呼ばれている。


 太古から邪神を崇拝しその復活を画策して来た比星 一族の末裔で、彼自身も邪神の落とし子だという(今日一郎 談)。


 転移魔術を得意とし、異界から邪神とその眷属の精神を召喚する。


 明日二郎とは双子で、今日一郎は兄に当たる(今日一郎 談)。

 

 彼の身体をむしばむ遺伝病の治療法確立を出汁だしに、九頭竜会に協力させられている。


 服用している薬が切れ顔色が蒼くなると、『上鳥居かみとりい 維婁馬いるま』と呼ばれる別人格が出現する模様もよう


☆邪神崇拝には近親相姦が。

 近親相姦には遺伝病が付きものだ。

 とすると、宮司殿の両親はいったい……。



◇ 比星ひぼし すみ ◇


 今日一郎と明日二郎の母。


 比星 一族の奉じる邪神の子を身籠り、その結果誕生したのが今日一郎と明日二郎であるという(今日一郎 談)。


 身体の障碍しょうがい白皮症はくひしょうを持つ上に病弱な体質。


 今日一郎と明日二郎を出産してから精神こころを病んでいる、と今日一郎は言っていたがそれは偽りで、精神状態は至って健全。


〈白髪の食屍鬼グール〉からはりんと呼ばれている。


☆白皮症由来の白い肌と撫子色なでしこいろの瞳が美しい。

 腕の長さも違うようだが、そのアンバランスさも美の一部だと私は思う。


 それより、彼女が大切に抱えている風呂敷包ふろしきづつみはいったい何なのだろう。

 気になるな……。



◆ 前章までの粗筋 ◆


〈白髪の食屍鬼グール〉こと比星 播衛門ばんえもんさらわれた今日一郎と澄を救出する為、長野県重井沢おもいさわに出向いた瑠璃家宮 一行。

 比星 一族が暮らしていた外吮山そとすやまで外法衆と遭遇し、決戦となる。


 軍配ぐんばいは外法衆に上がり、比星 家秘蔵の魔導書は外法衆が手にする事となった。

 その闘いで死亡した筈の宮森だったが、播衛門の処置により蘇生する。


 命からがら帝居へと帰還した瑠璃家宮 一行のもとに、新たなる刺客が迫っていた――。





☆登場人物紹介後編は気狐に任せるとしよう。

 グダグダにならなければ良いが……。


 言い忘れていたが、天芭てんば 史郎しろう 殿は三代目の隊長である。

 初代隊長は上海しゃんはい、二代目隊長はロシアに出向いているのだ。

 なかなか一筋縄ひとすじなわでは行かぬ御仁ごじん達だが、その実力は折り紙付きよ。

 彼らが戻って来た時が、瑠璃家宮 一派の最後となろう……。


 それでは第八章前半部分を開始する。

 弟子達の活躍、とくと御覧あれ。



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